MAURO PAGANI |
幼少の折から、ヴァイオリンを6年間習い、同時にクラシックを学ぶ。 16歳頃から、セミ・プロ・バンドで活動し始める。この頃から彼はその他にもフルート、ギター、ベース、ピッコロ等様々な楽器を習得し、後のマルチ・アーティストになる基盤をこの時期に築く。 その後、クエッリ(QUELI)のメンバー(フランツ・ディ・チョッチョ、フランコ・ムッシーダ、フラヴィオ・プレーモリ)と出会う。70年9月頃に、ジョルジオ・ピアッツァと共に、クエッリに参加。パガーニの提案により、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニに改名、PFMとして正式にデビューする。 1978年 「MAURO PAGANI」発表 尚、デメトリオ・ストラトスのアルバム参加や、彼の死後ファヴリツィオ・デ・アンドレの作品への参加、最近ではプロデュース等も行っている模様です。 |
PFMやAREAを聴いて、パガーニのソロを聞いていない人はまさかいないだろう。 もし、聞いていなかったのなら、あなたはとてもラッキーだ。今からこの音楽を味わえるのだから・・・。 と、まぁよくある文句を使ってみました。そんな定型文句を言いたくなるぐらいの重要アーティストです。特に、1st。 ところで、パガーニはストラディバリウスを使っていると聞いたのですが本当なのでしょうかね? |
MAURO PAGANI |
MARIO ARCARI -oboe LUCA BALBO -chitarra WALTER CALLONI -batteria GIULIO CAPIOZZO -batteria ROBERTO COLOMBO -polimoog TERESA DE SIO -voce FRANZ DI CIOCCIO -batteria PATRICK DJIVAS -basso elettrico PATRIZIO FARISELLI -pianoforte PASQUALE MINIERI -percussioni FRANCO MUSSIDA -chittara MAURO PAGANI -violino,viola,bouzouki,mandolino,flauto di canna DEMETRIO STRATOS -voce ARES TAVOLAZZI -basso elettrico,contrabasso GIORGIO VIVALDI -percussioni,tamburo parlante Musiche di MAURO PAGANI,Arrangiamenti di MAURO PAGANI |
1978年発表の1st。邦題:地中海の伝説。 イタリアン・プログレの生んだ傑作にして、問答無用の最重要アルバム。同年に発表されているアレアの『1978』と併せて激・必聴である。地中海音楽ということではパガーニも参加したファブリツィオ・デ・アンドレ(カンタウトーレの大御所)の1984年作「地中海の道程」もお薦め。 アレアや古巣PFM、カルナッシャリアのメンバーがバックを務め、テレーザ・デ・シオ(ナポリの歌姫らしい)の歌声、デメトリオ・ストラトスの現代の人とは思えないような声を用い、地中海音楽(民族音楽)とジャズやロックとの融合を極めて自然に、そして忠実に創り上げた地中海の歴史の縮図である。それは歴史を圧縮するかのように様々な生活風景、文化を繋いだものだ。当初は『ランゴバルトとサラセン』という題が考えられたらしいが、その題がまさしくこのアルバムを語っているように思える。 <雑学編: ランゴバルトとはランゴバルト族(イタリア人は彼等の事をロンバルト族と呼んだ)の事であり、6世紀半ばランゴバルト族はイタリアに侵入したが全土を制圧することは出来ず、一部で独立した地域を持った。それがロンバルディアという名の由来でもある。 サラセンとはイスラム帝国の事で、ヨーロッパ人は彼等の事をサラセンと呼んだ。彼等の文明圏はアラビア半島、アフリカを含んだアラビア人の住む地域一体。> つまり、彼等のルーツでもあるイタリア国内の歴史は勿論のこと、古来から様々な海上交通網が発達してきたように地中海を取り囲む地域の民族の音楽がここに表されている。 |
M1,EUROPA MINOR (ヨーロッパ・マイナー) 旧邦題、ヨーロッパの曙。 M2,ARGIENTO (アルジエント) M3,VIOLER D'AMORES (ヴィオラ・ダモーレ) 旧邦題、哀しみのバイオリン。 M4,LA CITTA' AROMATICA (馨しき街) M5,L'ALBERO DI CANTO (PARTE 1a) (歌う樹木、パート1) 旧邦題、木々は歌う。 M6,CHORON (コロン) M7,DA QUALCHE PARTE TRA LA CALABRIA E CORFÙ IL BLU COMINCIA DAVVERO (カラブリアとコルフ島の間) 旧邦題、海の調べ。 M8,L'ALBERO DI CANT (PARTE 2a) (歌う樹木、パート2) 旧邦題、木々は歌う。 |
と、まぁイタリアや周辺の国々の歴史を調べたくなるようなアルバムだ。 マウロ・パガーニはどちらかと言うとクラシック的な印象が強いだけに、ここでのヴァイオリン、ヴィオラ等の音を聴いた時の驚き、新鮮さには驚嘆した。リズムにしても時にはポリリズムを用いたり非常に原始的で昂揚感のある生命力溢れるものである。 民族音楽を敬遠している方は、これを第一歩にしてみてはいかがでしょう。 決して生半可なエスニック・ミュージックでもなく、(彼らの演奏アンサンブルの超絶さはもちろんのこと)この追求ぶり、この想像力には驚きを禁じ得ない。歴史的傑作! |