UNIVERS ZERO

ベルギーのチェンバー・ロック・グループ、ユニヴェル・ゼロ。
1974年、ブリュッセルにてダニエル・デニ、ロジェ・トリゴーを中核に結成される。1977年「UNIVERS ZERO」でアルバム・デビュー。以後RIOに参加等、独自の活動を続け、5枚のアルバムを残すが「HEATWAVE」を以って解散(1987年)。1999年再結成、再結成後は3?のオリジナル・アルバムを残す。その他未発表曲集、編集盤あり。詳しくはディスコグラフィ参照のこと。

1977 UNIVERS ZERO 」 → 「1313
1979 「HERESIE
1980 「CEUX DU DEHORS
1981 「TRIOMPHE DES MOUCHES」 EP
1983
 「CRAWLING WIND」 UNRELEASED SONGS
1984
 「UZED
1986 「HEATWAVE

1999 「THE HARD QUEST
2002 「RHYTHMIX
2004 「IMPLOSION

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室内楽(=チェンバー・ミュージック)というのは、言葉の響き上お上品なイメージがありますが、ユニヴェル・ゼロはそういったイメージとは正反対の暗黒チェンバーの始祖とも言えるグループです。一切の感情を冷凍し、身体だけを底なし沼に放り込まれ、死ぬことも出来ず、ただ眺める風景のような憂鬱っぷり爆裂音楽です。合わない人にとっては徹底的に合わない種類の音楽です。彼らのHPで試聴してからご購入を検討されては如何でしょうか。

お薦めは解散前の5枚のアルバム全部、と言いたいのですが、1980年作「CEUX DU DEHORS」が初心者向けでもあります。出きれば「UZED」まで全部買いましょう。そして夜中にこっそり一人で聴きましょう。

 

1313

MICHEL BERCKMANS -bassoon
DANIEL
 DENIS -percussion
MARCEL
 DUFRANE -violin
CHRISTIAN
 GENET -bass
PATRICK
 HANAPPIER -violin,viola,pocket cello
EMMANUEL
 NICAISE -harmonium,spinet
ROGER
 TRIGAUX -guitar
1977年発表の1stアルバム。
当時は「UNIVERS ZERO」というタイトルでリリースされていたが、後にリミックスを施し「1313」というタイトルで再リリースされた(1313というナンバーもいかにも彼等らしいが、こういったオカルティックな連想が彼等の評価を歪めてしまう原因になっているのかもしれない)。
室内楽(バスーン、ヴァイオリン、ヴィオラ他)+ロック編成(ギター、ベース、パーカッション)で、サウンドは「暗黒的」という焦点のせいか全くブレがなく、アンサンブルを重視したインストゥルメンタル曲集となっている。折り重なる弦楽器、吹奏楽器が中世的ヴィジョンを映し出し、そこに現代音楽的な息吹が加わっている。因みに、彼等はマグマやアール・ゾイとも親交があった。音楽的影響としてはバルトーク、クリムゾン(特に太陽と戦慄だろう)がよく挙げられている。しかしそれにしてもこの恐怖的音楽の比類無き漆黒には開いた口が塞がらない。泣く子も、さらに泣く。
M1,RONDE
M2,CARABOSSE
M3,DOCTEUR
 PETIOT
M4,MALAISE
M5,COMPLAINTE
リズムの反復と変化(変拍子)を巧みに使い分け、空間を徹底的に無感情なバスーン、ヴァイオリンが支配し、酸素を薄く、視野を狭くする。夜のように。半ば脅迫的に(幼き頃見たオカルト映画的な)イメージを喚起させられ、トラウマとしてここに記憶される恐怖体験。B級オカルティック・ミュージックでは断じてなく、それは彼等の音を用いたテクニカルな「演技」を聴けば明らかであろう。
この後彼等の音楽は焦点をさらに狭めた密度の高いものへとシフトしていくのだが、それはあく迄好みの問題であり、ラフで取り留めのないこの1st、2ndを好むファンも多い。

 

 

 

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