TEN YEARS AFTER

1960年、アルヴィン・リー(イングランド北部ノッティンガム生まれ)を中心に結成される。当時はアトメイテスというグループ名で、ロックン・ロール・トリオのバンドであった。(後にバンド名はジェイメン〜ジェイキャッツ〜ジェイバーズと変わる。)
友人のレオ・ライオンズ(ベーシスト)と、ドラマーのピート・エヴァンスが当時のラインナップ。

1965年、ドラマーがリック・リーに替わり、彼等はロンドンへ移る。
翌年にはキーボーディストのチック・チャーチルが加わり、正式にグループ名をテン・イヤーズ・アフターとして再出発。
同年(
66年)に、デッカ傘下のデラム・レーベルと契約を結び、6710月に『TEN YEARS AFTER』でデビュー。

1968年、アメリカ・ツアーに出発し、そこでのライブを録音した(514日)アルバムを2ndアルバムとしてリリース。
そこに収録されている『
I'M GOING HOME』が彼等の代表曲となり、人気も急上昇する。
1969年にサード・アルバム『STONEDHENGE』を発表。ヒットする。

彼等の人気を決定づけたのが、言うまでもないが、同年8月のウッドストック・フェスティヴァルだろう。アルヴィン・リーの早弾きスタイルに注目が集まる。
ほぼ同時期に
4thアルバム『Ssssh』を発表。
1970年には5thアルバム『Cricklewood Green』を発表。彼等の黄金期となる。
同年には、
6thWATT』を発表、翌年には7thA SPACE IN TIME』を発表。(解説を参考に書いています)

その後も数枚のアルバム、未発表曲集、ベストを発表していますが、以下略ということで・・・。

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テン・イヤーズ・アフター(以下TYA)は、クリームやフリートウッド・マック、ジェフ・ベック・グループ等と並ぶブルーズ・ロックの大御所です。ウッドストックに出演し、アルヴィン・リーの早弾きに注目が集まりました。
当時は、かなりの人気でスーパー・バンド的な扱いだったらしいのですが、現在はこの通り、かなりマニアックなところへ押しやられているようです。それはブルーズ・ロックという枠組みが問題なのかもしれません。
個人的にはその他60、70年代の大御所と比べても結構好きなグループのうちの一つなのですが、全部の作品を聴いたというわけでもないのです。実は。それでも自分の中でかなりの重要度を誇っているのは、やっぱり一枚のインパクトなのかもしれません。
お薦めはやっぱり、『夜明けのない朝』と『クリックルウッド・グリーン』でしょう。個人的に実はあまり人気のない『ストーンドヘンジ』が好きで愛着があります。

 

Ssssh

ALVIN LEE -guitars,vocals
LEO
 LYONS -bass
CHICK
 CHURCHILL -organ,pianos
RIC
 LEE -drums
SSSSH
 WAS PRODUCED by ALVIN LEE and TEN YEARS AFTER
1969年8月発表の4thアルバム。邦題:夜明けのない朝。
サイケっぽく、いかにも何かを語りだしそうな印象的なジャケットは、グレアム・ナッシュ撮影。オリジナル・タイトルの『シュッシュ』はシャンプー名だとか。録音時期は、ツアーに出る前の6月、短期間で録られたようだ。
前作の実験的な方向性は引っ込み、彼等の今までの歴史を詰め込んだストレートな音楽になった。サイケの残響も若干覗い知れる。レオ・ライオンズのベースとアルヴィン・リーのギターの絡みは、非常に力強く、グルーヴをも感じさせる。
ブルーズに根ざしているが、ある意味ハード・ロックと言えるぐらいの迫力がある。しかし、凡百のハード・ロック勢と比べても明らかに柔軟性に溢れた音楽(実際ライブではかなりフリーだったようだ)である。しっかり地面に足を据えながら、スピードを持って聞かせる彼等の最高傑作。
M1,BAD SCENE, (バッド・シーン) 非常にスピーディーでスリリングなギター・ソロが印象的。
M2,TWO TIME MAMA, (トゥ・タイム・ママ)
M3,STONED WOMAN, (ストーンド・ウーマン)
M4,GOOD MORNING LITTLE SCHOOLGIRL, (グッド・モーニング・リトル・スクールガール)ヤードバーズもカヴァーした、サニー・ボーイ・ウィリアムソン作。断続的に表れるグルーヴが心地良い。後半のベースとギター・ソロの絡みは言葉も出ない。
M5,IF YOU SHOULD LOVE ME, (愛してくれるなら) 少しセンチメンタルなバラード曲。ビートルズっぽさも若干感じる。
M6,I DON'T KNOW THAT YOU DON'T KNOW MY NAME, (知らないどうし)
M7,THE STOMP, (ストンプ)
M8,I WOKE UP THIS MORNING, (夜明けのない朝)
アルヴィン・リーのギターは確かに凄いのだけれど、実は結構曲に溶け込んでいて、早弾き特有のイヤらしさみたいなものは感じない。それでいて格好良い。ブルーズ・ロックとは言っても、TYA、または英国というフィルターを通したもので、あまり気にしない方がよいのかもしれない。アルヴィン・リーの少し抑え気味にシャウトするヴォーカルも賛否両論あるのかもしれないけど個人的には好きだ。
それにしても、『夜明けのない朝』というのはなかなか良い邦題だと思う(実はM8に夜明けのない朝という言葉は出てきていないのだが)。個人的にこれはお酒が飲みたくなる音楽。アルヴィン・リーの高速ギターは実は大変心地良く、酔いやすい。お酒は勿論スコッチだろう。(実はあまり飲めないのだけれど)

 

 

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