Spritualized
現代のサイケデリック・ロックをマイ・ブラッディ・バレンタインとともに、確立した立役者
ジェイソン・ピアース。90年以降のサイケを予感させる前身スペースメン3、
より表現を拡大させていく、スピリチュアライズド。音響やオーケストラ、ゴスペルを
用いて広がる世界は、スピリチュアライズドならではだ。
PLEASE WAIT!
PURE PHASE
スピリチュアライズド・エレクトリック・メインライン―
ジェイソン・ピアース(ヴォーカル、ギター)、ケイト・ラドリー(キーボード)、ショーン・クック(ベース、ハーモニカ)
セカンド・アルバム。世間的には宇宙遊泳が最高傑作とされているが、
個人的にはこのアルバムの方が好き。
相変わらずのドラッグ讃歌の歌詞や、ノイズを巧みに利用し、かなり音数が凄まじい。
しかし基本的には、かなりポップで音量がどでかい割に、静かだ。
アルバム全体は、ジェイソン・ピアースも語っている通り、美しさを重視したものが多い。
音響構造を広く、空間的に利用したこれらの曲は、独特のドームに浸かっているような感覚を受ける。
何かが爆発し、その後の世界よりも、爆発した瞬間のスローモーションの美しさが垣間見える作品だ。
また、このアルバムにはパラネスク・カルテットが参加しており、この弦楽器が実に美しい。
特に13曲目SPREAD YOUR WINGSでは好演。
LADIES AND GENTLEMEN WE ARE FLORTING IN SPACE
邦題:宇宙遊泳。
メンバーは、前作のメンバーに元エコー&ザ・バニーメンのデイモン・リースが加入。
ピュア・フェイズに続く3RDアルバム。前作はやや過渡期的な印象だが
前作の音響サイケが、ここでは完成されている。
アルバムの白眉とも言えるラスト・トラックCOP SHOOT COP...には、ドクター・ジョン(!)が
ピアノで参加。前作はメロディがやや影に潜み、音としての声だったが、今作は
音としての声を基調としながらも、ややメロディアスになり聴きやすいと思う。
ゴスペル要素も多分に追加されており、次作までとはいかないまでも、ソウル色が濃い。
月並みに筆者はブロークン・ハートが好きです。
スピリチュアライズド入門用にして最高傑作。(何回も言って申し訳ないが、筆者は前作の方が好みです)
PLEASE WAIT!