QUIET SUN

フィル・マンザネラが学生時代に結成していたウィング・コマンダー・ニクスン&ヒズ・ホイート・イーティング・ビーズが母体。その後、プー&ジ・オストリッチ・フィーザースと改名し、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやフランク・ザッパ、ソフト・マシーンに強く影響を受け、69年にクワイエット・サンを結成。
ソフト・マシーンと親交を深め、ツアー・サポート等を行いながら、彼等もデモ・テープ等を作成しながらレコード・デビューの道を探す。 が、なかなかうまく行かず71年には解散へと追いやられる。ちなみに、この時期の音源は『レア・トラックス』として近年発表されている。

そして、フィル・マンザネラはロキシー・ミュージックのギタリストとして歩んで行く。(マンザネラはロキシーのオーディションにも一度落ちている)ロキシーで成功を収めた後、マンザネラもソロ・アルバムを制作することになる。
その時に、クワイエット・サンのメンバーであった彼等を呼び寄せ、(彼にとってあのメンバーで録音を残せなかったのが心残りだったらしい)彼のソロ・アルバム『ダイアモンド・ヘッド』の制作と平行して、クワイエット・サンとしてもアルバムを制作することとなる。(1974年)
1975年にソロ・アルバム『ダイアモンド・ヘッド』、そしてクワイエット・サンとして『メインストリーム』を発表。

マンザネラ等が組んだ『801』というバンドにおいてもライブ・アルバムが発表されているが、これは事実上クワイエット・サンのライブと言っても過言ではなく、『ダイアモンド・ヘッド』、『メインストリーム』、『801 LIVE』は必聴である。

周知の通り、マンザネラはこの後ポップ路線へと進むことになり、クワイエット・サンの臨時再編もこの時期だけである。しかし、クワイエット・サンの残したメインストリームは、カンタベリーや、チャールズ・ヘイワードが結成するTHIS HEATを繋ぐ重要なアルバムである。

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クワイエット・サンです。多分、プログレ名盤選なんかの企画を立てたりすると、私の中でトップ5に余裕で入るんじゃないかと思うくらいに、大好きです。
2年ぐらい前までは、入手が困難だったんですけど、現在は比較的簡単に入手できるんじゃないかと思います。是非とも持っていない方は手に入れてください。(ジャケ違いですけど)
現在はマンザネラのプロジェクトで未発表曲集も出ているので、気に入った方はこれももちろん買いです。

 

MAINSTREAM

CHARLES HAYWARD -drums,percussion,keyboards,voice
DAVE
 JARRETT -fender rthodes & steinway grand pianos,farfisa & hammond organs,VCS3
PHIL
 MANZANERA -electric6 & 12string guitars,treated guitars,fender rhodes piano
BILL
 MACCORMICK -electric bass,treated bass,back-up voices
with
ENO
 -synthesizer,treatments & oblique strategies
IAN
 MACCORMICK -back-up voices

PRODUCED
 by Quiet Sun
1975年発表。
発表に至った経緯等、詳しいことはバイオグラフィを参考にして下さい。このアルバムは、カンタベリー方面から語られることが多いが(実際ビル・マコーミックはワイアットのアルバムや、マッチング・モールに参加している)、カンタベリーの中だけでなくプログレ全体から見ても非常に重要な一枚である。(イーノとプログレ人脈を繋いだ一枚でもあるし)
クワイエット・サンはカンタベリー特有の浮遊感とは別の、異質な浮遊感、緊張感を孕んだ稀有なグループである。サウンドも、一口にジャズ・ロックとは言えないもので、どことなくクールで、人工的な感触、そこに戦慄が走るような感覚を受ける。チャールズ・ヘイワードの緊張感を煽る切り刻むようなドラミングも大きな役割を果たしていると思うが、多分イーノの存在も非常に大きく影響を与えているだろう。
(注:イアン・マコーミックはビル・マコーミックの兄。後にイアン・マクドナルドとして評論家になっているらしい)
M1,SOL CALIENTE,
M2,TRUMPETS WITH MOTHERHOOD,
M3,BARGAIN CLASSICS,
M4,R.F.D
M5,MUMMY WAS AN ASTEROID, DADDY WAS SMALL NON-STICK KITCHEN UTENSIL,
M6,TROT,
M7,RONGWRONG
何度も言うが、私はこの盤が大好きだ。カンタベリーの和やかな温もりは何処へ、と言いたくなるが、あまりこの盤に関してはそういうカテゴライズは無用だと思う。
ジャズ・ロックでもあるし、インダストリアルと言っても通用するような音だ。そしてあからさまなインダストリアルな音でもないし、ジャズ・ロックでもないところがますます好感を持つ。ピアノ、エレピの響き方にしたって、間の取り方にしても、思わず完璧と言いたくなる。こういう不安感を煽る音は大いに歓迎。名曲ロングロングのみならず、全曲素晴らしい。(全く触れなかったけれど、マンザネラのギターがもちろんリード的な役割を果たしていて、彼の演奏も実に心地良いものである)
まだまだ、私なんかには味わい尽くせない一枚だ。

 

QUIET SUN / PHIL MANZANERA

RARE
 ONE

M1,RFD PART U  -QUIET SUN  (mainstream sessions)
M2,YEARS OF THE QUIET SUN 1971   -QUIET SUN  
(original demo)
M3,CORAZON Y ALMA 1971   -QUIET SUN  
(warner demo)
M4,LAW AND ORDER   -MANZANERA / 801  
(radio session 1977)
M5,REMOTE CONTROL   -MANZANERA / 801  
(radio session 1977)
M6,THAT FALLING FEELING   -MANZANERA / 801  
(radio session 1977)
M7,DOWN   -MANZANERA / 801  
(demo PSL studios 1978)
M8,BROKENHEARTED   -MANZANERA / DIAMOND  
(gallery studio demo 1986)
M9,THE BEAT GOES ON   -MANZANERA / SAATCHI  
(Italian single 1991)
M10,TRE AMORE   -PHIL MANZANERA  
(San Remo festival 1991)
M11,RFD   -QUIET SUN  
(warner demo) 
この未発表曲集は、マンザネラ・アーカイヴスと銘打たれてシリーズとして過去の未発表音源をマンザネラ自身が発表しているものの内の一枚である。
そして、その中でもクワイエット・サンの未発表曲が入っているこのアルバムは極めて貴重だ。(このアルバムはフィル・マンザネラの項に載せた方が良いと思ったけれど、クワイエット・サンのところにあえてしました。)
簡単に説明すると、M1、M2、M3、M11の4曲がクワイエット・サンによるもので、残りは801やマンザネラのソロのラジオ・セッション(年代はバラバラなので上記を参考に)

M1,RFD PART2は、メインストリーム発表時(1974〜75)のアウト・テイクで、RFDの続編に当たるものである。M2は、1971年のデモ録音で、サックス奏者デイヴ・モナガムが参加している。メインストリーム期のクワイエット・サンとは全く趣きが違うのが興味深い。ソフト・マシーンの影響下であった彼等のそれを良く表しているものだと思う。M3もデモで、こちらは若干チープながら、後のメインストリーム期の不安感がイントロに表れている。基本はジャズ・ロック。この曲の断片は後に彼のソロで再利用されている。M11のRFDも恐らく1971年の録音。RFDの原曲。

ここでは、主にクワイエット・サンだけ触れたが、マンザネラのソロも名曲が多い。(M6はLISTEN NOW収録の名バラード曲)クワイエット・サン好き、マンザネラ好きは(値は高いけど)必聴!

 

 

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