QUICKSAND

60年代後半に結成。
70年にカーナビー・レーベルより一枚のシングルを残す。(PASSING BY/ COBBLESTONES)
その後は紆余曲折あったようで正確な情報はあまり伝わっていない。

73年にパイ傘下のドーン・レーベル(DAWN RECORDS 69年設立)と契約を結ぶ。同年10月に一枚のシングルを残している。(TIME TO LIVE/ EMPTY STREET,EMPTY HEART)
そして、74年に唯一のアルバムとなる『HOME IS WHERE I BELONG』を発表。
恐らく、それ以後は解散したと思われるが、実際にはよく分かっていない。

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これも、マニアックな人気を誇り続けるブリティッシュ・ロックの隠れ名盤です。堅苦しいプログレっぽさもなく、非常に心地良く聴けます。しかし、プログレっぽい展開も主張せず盛り込んであってマニア受けもする非常に好感度の高い一枚です。
ビクターから2002年に紙ジャケットで発売され、それ以後は結構流通していると思われます。

 

HOME IS WHERE I BELONG

JIMMY DAVIES
ROBERT
 COLLINS
ANTHONY
 STONE
PHIL
 DAVIES

PRODUCED
 BY GLYN JONES,GEOFF GILL,TITO BURNS,QUICKSAND
1974年発表の唯一のアルバム。
パイ傘下のDAWN(ドーン)から発表された。クレジットは載っているのだが、楽器担当が書いていなくて、解説にもある通り、不明のようだ。(現在、ビクターから巻き帯式紙ジャケが流通している)ジミー・デイヴィスとフィル・デイヴィスは兄弟でもある。

内容の方はと言えば、いかにも英国然とした牧歌的な響きを有するブリティッシュ・ロックである。1曲目から非常にのどかで、キャラヴァンっぽい。変な雑念をここで一気に取り払ってくれる。ジャンル・カテゴライズ無用の普遍性と言うのは実に感動的だ。

M1,HIDEAWAY MY SONG, キャラヴァンぽい牧歌的な風景が想起できる。1曲目にこの曲があることで、非常にアルバム全体の敷居を良い意味で下げている。
M2,SUNLIGHT BRINGS SHADOWS, 
超絶ドラミングに引きつられながら、それでもやっぱりポップな英国然としたメロディが印象的。ギターソロも心地良い。
M3,EMPTY STREET, EMPTY HEART, 
若干憂いを帯びたギター・ソロで始まる名曲。コーラスに引きつられ、非常にメロディアスな歌が感動的に支配する。
M4,OVERCOME THE PATTERN〜FLYING, 
スピード感溢れるフォーク・タッチのコーラス曲。後半は幻想的なシンセ・サウンド、メロトロン、ギターが絡まり、いささかプログレっぽく展開する。
M5,TIME TO LIVE, 
アナログではここからB面。非常にコーラス・ワークが心地良く、涙腺を刺激する。
M6,HOME IS WHERE I BELONG, 
彼等の代表曲。ぐいぐいと引っ張るベースと、跳ねるような軽快なリズム。メロディは今更言わずもなが、の心地よさ。特に後半のギター・ソロが秀逸。
M7,SEASONS 〜ALPHA OMEGA, 
これもM4同様組曲形式(そこまで大そうなものではないが)になっていて、スピード感のある楽曲。ギターが主にリードする。この曲だけ、若干くぐもって聞こえるのは気のせい?
M8,HIDING IT All, 
陰りのある哀愁的なメロディの小曲。
仰々しいドラマティックさ、と言うよりも、あくまで自然なドラマ感がある楽曲が非常に心を揺さぶる。ケストレルもそうだが、こういう素敵な名盤がアンダー・グラウンドの世界に残されているというのも不思議でしょうがない。
爽やかな風が通り過ぎるようなのどかさ、ハーモーニーはこれでもか、と美しく、ギターを中心としたブリティッシュ・ロックの良いところを集めたようなメロディ、アンサンブル。非常に贅沢感がある。あの時代のブリティッシュ・ロック・ファンには外せない一枚。

 

 

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