OPUS AVANTRA
3人の音楽家(経歴も凄い)による、プロジェクト。ロックでは決してないが、オパス・アヴァントラが
示す狂気はそこらのロックバンドじゃ足元にも及ばない。
ドネラ・デル・モナコの内なるヴォーカルを是非聴いてみてほしい。
INTROSPEZIONE
邦題:内省。アヴァントラとは、前衛+伝統という造語らしいのだが、
決して相容れぬこの二つを混合しているこの音に驚く。プレイ・ボタンを押すと
まず聴こえてくるのは、気がふれたかのようなピアノの音。曲が始まれば、徹底的に
美しく、誰にも触れられないかのような美術館の中の宝石を思わずにいられない。
しかし、それと同時にその宝石を守るガラスは、脆いのである。そのガラスが崩れる様相も、見事に表しているのだ。
室内楽、ミュージックコンクレート、ジャズ、オペラ、全ての音楽がオパス・アヴァントラの元に
消化される。数々のロックバンドが外向的な狂気を示したが、オパス・アヴァントラは、静かなる内の狂気
と言って良いだろう。まさしく、パンドラの箱である。(1974年)
PLEASE WAIT!
DONELLA DEL MONACO
オパス・アヴァントラは、決して彼女のヴォーカルなしではありえなかった。
それは、誰もが思うことだろう。ドネラ・デル・モナコの声というのは、表現の幅が並大抵ではない。
SCHÖNBERG KABARETT
ここでは、オペラのような唱方が目立つ。
どこか、違う時代に引き込まれたかのような錯覚を覚える。
この作品は、タイトル通り、十二音音楽の創始者として知られるオーストリアの作曲家、シェーンベルグの
曲を歌ったもの。曲の魅力を損なわないような歌い方ではあるが、
彼女の魅力でもある狂気も見事に表現されている。ピアノ伴奏のみというシンプルな
構成のせいか、非常に歌が目立っている。
(これをかけてると、どこか宮殿の中で聴いているような錯覚が起こります(笑 )
PLEASE WAIT!