MAGICAL POWER MAKO

マジカル・パワー・マコ。本名、栗田誠。
伊豆修善寺で育つ。幼い頃から、勉強も全くしないのに成績は優秀といういわゆる神童的子供だったようだ。
それこそ、小学生辺りからギター、ピアノを弾き、多くの楽器を操り、
14歳にして、一人で録音し、12曲をテープに吹き込んだ。(その曲は1stアルバムで断片ながら使用されているらしい。)その後も曲を作り続け、中学卒業と同時に東京へ。

71年頃に、実兄と紫雲英(ゲンゲ)というバンドを結成し、ライブ活動を行う。
72年4月に開催された現代音楽イヴェント『自由空間』に出演。その頃から灰野敬ニとの交流も始まる。同年には、NHKの放送用音楽を手掛けるようになる。
NHKの『音楽と私』という番組に出演し、武満徹と知り合い、交流を深める。

73年夏頃から米軍ハウスに住み、自室で音楽の創造に勤しむ。74年にはPOLYDORからレコード・デビューする。(当時18歳)
その後も多くの作品を発表し続け、現在ももちろん宇宙と交信しながら、活動中。
(ほとんど、湯浅学氏の解説を引用しました。)

OFFICIAL HP (http://www.magicalpowermako.net/main.html
かなり詳細なディスコグラフィ、バイオグラフィが見れます。また、マコ自身による1曲毎の解説も!!さらには音源もあります。
湯浅学氏のCDに付属されている解説も、読めますよ。

MAKO'S BLOG (
http://blog.drecom.jp/makochan/
現在は交信されていませんが、おもろいでっせ。

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持っていない人、聴いたことのない方はこんなHPなんて見ていないで、さっさとCD屋さんにお金を握りしめて走って下さい。1st、2nd、3rdなら比較的簡単に買えるだろうと思います。

音楽の楽しさを教えてくれる人でもあるでしょう。マコさんの音楽を聴いたことのない方はこういう文字を絶対に先に見てはいけません。

 

MAGICAL POWER

CAT SIDE
M1,もうおしまいです。アーメン
M2,チャチャ
M3,秋がない(アギネ)
M4,死出の山から十三仏の掛じくへ
M5,街
M6,冬
M7,束縛の自由

DOG SIDE
M8,朝の窓をあける、太陽が光る、今日の希望だ小鳥がなく (思考方切変装置付人間)
M9,ルーディング・ピアノ
M10,宿薬師念仏鐘はり
M11,アメリカン・ヴィレッジ1973
M12,空を見上げよう
1974年発表の1stアルバム。
恐らくこんな衝撃的なアルバムは現在においても誰も作れないのではないだろうか。まさしくマジカル・パワーが宿った電撃的変態作。
音の奇天烈さ、前衛さもそうなのだが、このMAKOの詩、コンセプト(があるのかは分からない)も実に奇妙だ。M1で絶望的ですらある市内放送で幕を開け、幾多の困難(?)を乗り越え、終曲『空を見上げよう』ではいささか感動的ですらある平穏感が包み込む。私なんか泣いた。ちなみに、灰野敬ニも2曲参加している(束縛の自由、空を見上げよう)

猫面、M1は市内放送実況。チャチャという猫の鳴き声がひたすら怖い。チャチャとドナルド・ダックがそれを聴いているらしい。その図を想像してみましょう。M2はリズムのぶちかまし。とも言い切れない斬新なもの。この種の音楽もあることを頭に入れておいてくださいとMAKOは言っている。M3は多田君という人が津軽弁で歌っている。M4は鍾乳洞で録音されたらしい。M5はラッポさんという人が歌っているらしい。M6は悲哀な空気が漂ったひたすら美しい曲。轟音に突き進む瞬間は身震いする。M7は灰野敬ニによる歌曲。リズムの変化が面白い。灰野敬ニの奇声も相変わらずだ。灰野敬ニの事をMAKOは『けいちゃん』と呼んでいる。
犬面に移り、M8はMAKOの愛人が歌で参加しているらしい。詩はひたすら『朝の窓をあける、太陽が光る、今日の希望だ小鳥がなく』だけ。なんだか、そう思えって言われているようで洗脳される。M9は、ピアノと変な掛け声。M10は、祭の音楽らしい。昔どこかで聞いたことのあるこの音楽。(内田康夫のサスペンスにも出てきそう)M11は、ミュージック・コンクレート、ノイズ、切羽詰ったメロトロンが渾然一体とならずに襲い掛かってくる。赤ちゃんの鳴き声と、誰かの笑い声と、ピコピコとしたコンピューター音。MAKOの住んでいたアメリカン・ヴィレッジでの音の記録らしい。M12は、もう言葉にならない美しさ、優しさに包まれる歌曲。なんと言ってもメロトロンの音が素晴らしい!
MAKOのコメント引用『僕の15の時の曲。空を見上げようと言いたかった。メロトロンは面白い楽器です。もう2度と使いません』と言っている。

本当に空を見上げたくなる不思議なアルバムだ。まず、日本人らしさも感じられるところが良い。本当の意味でいろんな音楽が詰まっている。意味不明さも数あれど、なんだかんだ言って素敵なアルバムだ。何度も聴いていると前衛さもあまり感じずに聴いていられる。ひたすらリピート。それにしても今の時代をMAKOはどう見ているのだろうか。

 

JUMP

M1,JUMP TO YOU,
M2,THE STORY OF OUR MASTER,
M3,GIVE ME PRESENT,
M4,REST LIGHT DOWN,
M5,SO
M6,BLUE WIND,
M7,ELEPHANT'S JUNGLE,
M8,JUMP,
M9,21st OCEAN

ALL TITLES COMPOSED BY MAKO
PRODUCED BY MAKO & KEN MATSUMOTO
1977年発表の3rdアルバム。
1st、2ndとは違い、曲が枠組みがはっきりとしており、1stと比べてみても断然聴きやすいだろう。この辺りにがっかりするかしないかは、リスナー次第。
曲はジャーマン・ロックの影響を濃く受けているのだろう。ゴリゴリとしたリフが強烈で、脳内を刺激するM1。ヴォーカルもダモ鈴木のつぶやきヴォーカルにそっくり!何時の間にやらスピードUP、これがMAKOの言う瞬間移動=ジャンプなのだろうか。M2はチャチャ(1st)のような新鮮さはないが、パーカッション(ドラム)とMAKOの声との掛け合い。斬新なアイデアがこれでもか、と詰め込まれているが分かる。
その他の曲もなんだかんだ言って、メロディの良さもあるし、彼独特の民族音楽の引用もあるしと、以外と安心して聴けることだろう(特にクラウト好きはたまらないかもしれない。)

個人的には、1stのような偶発的(恐らく計算ずくなのだろうが)な突拍子のなさ、変態性を期待してしまったせいか、最初聴いた時は『アレっ』と思ってしまった。(この人の場合、1stをいつも中心に比べてしまう。ごめんなさい)まぁ、同じようなものを作ること自体MAKOにとっては、何の意味も成さないことなのだろう。この『アレッ』ってのが重要なのだ。充分フリーキーだしね。全編通してハイ・テンション。

このアルバムにMAKOが寄せている文章で『UFOが光速を超え、宇宙空間を瞬間移動することを彼らはジャンプと呼ぶ(以下略 』と言っているが、彼らって誰なんでしょう?

 

 

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