KESTREL

英国ホワイトリー・ベイという港町で、1971年に結成。
デイヴ・ブラックが中心的存在として、何人ものメンバー・チェンジが行われた。73年にジョン・ワースの目にとまり、キューヴ・レーベルと契約を結ぶ。
彼のプロデュースにより、1974年頃からロンドンのスタジオでアルバムの制作を開始する。
そして、彼等の唯一作であるアルバムが1975年にリリースされる。しかし、商業的な成功は全く収められなかった。そして、リーダーでもあったデイヴ・ブラックがスパイダース・フロム・マーズ(ボウイと袂を分かつ事になった後再結成された)に引き抜かれ脱退し、バンドは自然と解散する。
その後、デイヴ・ブラックとトム・ノウレスが組み、ゴールディーというバンドを組み、シングル・ヒットを放っている。現在はほとんどのメンバーが表立ったバンド活動からは引退している模様です。
(ビクターから出ているCDの解説を参考に書きました)

MENU            BACK

ケストレルぐらいになると、さすがにあまり知られていないのではないでしょうか。
プログレ・ファンからしか見向きもされないバンドっていうのはいっぱいいるんですが、このケストレルもその筆頭でしょう。メロトロンを使っていたらプログレになるという意味不明な理由で敬遠されるのであれば、なんだか可哀相ですね。
ケストレルは多分にプログレ要素もあるのだが、実に正統的なブリティッシュ・ロック・バンドです。ブリティッシュ・ロック好きなら聴いてみてはいかがでしょうか?

 

KESTREL

DAVE BLACK -lead guitar,rhythm guitar,vocals
JOHN
 COOK -keyboards,synthesiser,melltron,vocals
DAVID
 WHITTAKER -drums,percussion
FENWICK
 MAIR -bass guitar
TOM
 KNOWLES -lead vocals

PRODUCED
 by JOHN WORTH FOR NOELAND PRODUCTIONS
SLEEVE
 DESIGN by ARTY TYPES
1975年発表の唯一作。
プログレッシヴ・ポップと冠せられることの多いケストレル。内容もまさしくその言葉通りの、非常にメロディアスで、(プログレの陰鬱としたイメージとは正反対)英国然とした作りに安心させられる。ウィッシュボーン・アッシュとかと一緒に語られるべきアルバムである。あるいは、それこそ大御所バンドのアルバムと並べても違和感がないと思う。まんま70年代の音というのが好き嫌いの分かれるところか。

それにしても、デイヴ・ブラックのギターはかなり素晴らしい。ジャジーな音も所々盛り込み、展開もプログレ的ながら自然と胸を撫で下ろすかのような安心感がある。トム・ノウレスのヴォーカルも決して個性的ではないが、アルバムにぴったりと合っていて好感が持てる。
その他にも細かいところも多々あるが、何にしろ、大胆なまでのメロディアスさなのだ。こんなアルバムがアンダーグラウンドな世界で置き忘れられているのも実に奇妙だ。
M1,THE ACROBAT,
M2,WIND CLOUD,
M3,I BELIEVE IN YOU,
M4,LAST REQUEST,
M5,IN THE WAR,
M6,TAKE IT AWAY,
M7,END OF THE AFFAIR,
M8,AUGUST CAROL,
古臭いから聴かない、という人は新しいものばかり追い求める人でしんどいだろうな、と思う。どうせ、何時かは古臭くなってしまうのを理解しつつも、次々と現代の音を求める。
私はどちらかと言うと、そういう事をあまり深く考えない方なので、このアルバムの魅力も存分に味わえた。新しい音楽というのは良い音楽とイコールされるべきでない。いや、というより良い音楽は古臭い音楽の中にも存在しているということだ。
このアルバムは良質のポップ・ミュージックだと思う。

と、まぁこういう種類のアルバムを批判する人が多くいるのだろうな、と悲観的に思っていたが、アマゾンのレビュー欄を見て驚いた。レビュー数が結構多い。なんだか、嬉しい。

 

 

MENU          BACK