IL VOLO |
イタリアのスーパー・バンド IL VOLO (イル・ヴォーロ) RCA傘下のヌメロ・ウーノというレーベルの専属ミュージシャン達とフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウス、ガブリエーレ・ロレンツィの二人によって1974年結成された。アルベルト・ラディウス等が中心となって結成されたので、フォルムラ・トレが母体と言って良いだろう。冒頭に書いたように、スーパーバンドとして注目されることになる。 |
2枚のアルバムしか残していないが、両方とも趣が異なり、またどちらも名作に値するものなので、2枚とも聴いてみてはいかがでしょうか。 1枚目は、いわゆる歌モノ志向で、曲の長さもあまりなく、非常にコンパクトな印象を受ける。かなり洗練された音なので、プログレ・ファンならずとも一聴されたし!ちなみに、2ndはインスト中心です。 現在は、国内BMGから紙ジャケが2枚ともリマスター(格段に音質向上しています。びっくりしました)で出ています。限定なので、無くなる前に買ってみてください。(イタリアBMGからも紙ジャケで出ています) |
IL VOLO |
VINCE TEMPERA -fender electric piano, claivnet,
acoustic piano ALBERTO RADIUS -electric & acoustic guitar, electric sitar, vocals OLOV (ROBERTO CALLERO) -bass MARIO LAVEZZI -acoustic & electirc guitar, 12 strings, electric mandolin GIANNI DALL'AGLIO -drums,percussion,vocals GABRIELE LORENZI -organ, eminent, moog, cembalo |
1974年5月発表の1stアルバム。(IL VOLOとは飛翔という意味) 先述したように、メンバーの経歴を見ても、音を聴いてもスーパー・バンドだと言うのが分かるだろう。ツイン・キーボード、ツイン・ギターを配した豪華なアンサンブル。PFMやアレア、バンコと並び称せられるグループながら、音は全く違う。 非常に洗練度の高いテクニカルなロックである。しかし、全体的にはポップな感触がある。クラシックからの引用は少なく、当時のジャズ、フュージョン、ポップスからの影響が濃い。 フォルムラ・トレを聴いた事があるという方は分かるかもしれないが、その叙情的なサウンドもアルベルト・ラディウスのギターを聴けば思い出されることだろう。 |
M1,COME UNA ZANZARA, (一匹の蚊の如く) 音の波が悉く押し寄せてくるスリリングで迫力のある演奏。 M2,LA MIA RIVOLUZIONE, (魂の変革) 後半のラディウスのギターが圧巻。メロトロンも良い。 M3,IL CALORE UMANO, (情念) アコースティック・ギターによるイントロからスキャット・ヴォーカルがテーマをなぞる。その後に表れる哀愁漂うギターが心地良すぎる。 M4,IL CANTO DELLA PREISTORIA(MOLECOLE), (創世記)叙情的、神秘的な広がりを持ったヴォーカルに包み込まれる。キーボードが重なり盛り上っていく様は感動的。 M5,I PRIMI RESPIRI, (始まりの吐息) M6,LA CANZONE DEL NOSTRO TEMPO, (讃歌) M7,SONNO, (睡魔) M8,SINFONIA DELLE SCARPE DA TENNIS, (テニス靴のシンフォニア) |
言わば、イタリアのスティーリー・ダンだろうか。一音一音が非常に丁寧で、非常に贅沢な音に感じられるが、結構ポップなので敷居は全く高くない。フランス料理レストランに初めて行ったが、そこのコックやウェイターが気さくなイイ奴だった、みたいな。。 とりあえず、ラディウスのギター一つとっても味わい深い。この心地良さを是非とも実際に体験して貰いたい。 |