HAWKWIND

1969年ロンドンにて結成。
オリジナル・メンバーはデイヴ・ブロック、ニック・ターナー、ミック・スラッタリー、ディック・ミック、ジョン・ハリスン、テリー・オリス。しかしホークスもまたメンバー・チェンジは御家芸で、アモン・デュール、モーター・ヘッド、サード・イヤー・バンド、ピンク・フェアリーズ、ゴング等からもメンバーが誕生したりと頻繁に行われていたようだ。
更には詩人(ロバート・コルヴァート)やSF作家(マイケル・ムーアコック)も巻き込んだりと彼等の活動は幅広い。
初期はピンク・フロイド等のサイケからの影響が顕著に覗えたが、次第に彼等自身のスペース・サイケ・サウンドを築き上げ、スペース・サウンドと言えばホークスと言うぐらいの超大御所である。
しかし現在では、デイヴ・ブロックとニック・ターナーの確執により、本家(デイヴ)ホークウィンド、分家(ニック)ホークウィンドとに分裂しているが活動継続中。
(バイオが適当になりましたが、詳しくはアルバム欄にて紹介する予定です)

1970年 『HAWKWIND
1971年 『IN SEARCH OF SPACE
1972年 『DOREMI FASOL LATIDO
1973年 『SPACE RITUAL
1974年 『HALL OF THE MOUNTAIN GRILL
1975年 『WARRIOR ON THE EDGE OF TIME
1976年 『ASTOUNDING SOUNDS,AMAZING MUSIC
1977年 『QUARK,STRANGENESS AND CHARM
1978年 『25 YEARS ON
1979年 『PXR5
1980年 『LIVE SEVENTY-NINE
1980年 『LEVITATION
1981年 『SONIC ATTACK
1982年 『CHURCH OF HARKWIND
1982年 『CHOOSE YOUR MASQUES
1983年 『ZONES
1984年 『STONEHENGE/DO NOT PANIC
1985年 『CHRONICLE OF THE BLACK SWORD
1986年 『LIVE CHRONICLES
1987年 『OUT AND INTAKE
1988年 『THE XENON CODEX
1990年 『SPACE BANDITS
1991年 『PALACE SPRINGS
1992年 『ELECTRIC TEPEE
1992年 『CALIFORNIA BRAINSTORM
1993年 『IT IS THE BUSINESS OF THE FUTURE TO BE DANDGEROUS
1994年 『THE BUSINESS TRIP
1995年 『ALIEN 4
1996年 『LOVE IN SPACE
1997年 『THE 1999 PARTY
1997年 『DISTANT HORIZONS
1998年 『HAWKWIND 1997
1999年 『IN YOUR AREA
2000年 『THRILLING HAWKWIND ADVENTURES
2001年 『YULE RITUAL
2002年 『LIVE 90
2002年 『LIVE AT CANTERBURY 2001
TO BE,,,

参考HP
HAWKWIND
 OFFICIAL HP (http://www.users.globalnet.co.uk/~hwind/hw_z.htm

HAWKEYE ON HAWKWIND HP (http://myweb.tiscali.co.uk/hawkwind/
HAWKWIND A WORLDWIDE DISCOGRAPHY (http://www.adawson.clara.net//
SPIRAL GALAXY 28948 (http://k-tan.staba.jp/hawkwind/index.html
HAWKWIND DAZE (http://homepage1.nifty.com/hawkwind/top.html
2ちゃんねる洋楽板ホークウィンド・スレッド (訳詞が結構UPされています)
↑に
UPされたまとめサイト (http://www.geocities.jp/hawkwind_xenon_codex/index.html

MENU             BACK

実はレヴューを書こう、書こうと思っていたんですけど、ホークスはレコード枚数が並大抵ではないので書き難いし、アナログは入手困難だらけで、CDも満足に入手できる状況でもないので、どうしようという事だったのです。つまりは私もあまり聴いていないので悩んでいました。まぁ、でもとりあえず持っているものから順に紹介していこうという事で書きます。

ホークスがあればご飯3杯はいけます。ハード・ロックも極端な話これだけでいいです。ヌード・ダンサー(?)もいます。
ホークスはご存知の通り、スペイシーなハード・ロック、サイケ、メタル、シンフォ、プログレ、パンク、ハウス、テクノ、トランスと凄まじい音楽性を秘めたグループでバンドの繋がりもキリがありません。どのホークスを聞きたいか、という事を決めてから上記に記したサイトを参考に買われては如何でしょうか。私のサイトを見てもあまり参考にはならないです。。。
初期の作品は幾分かは入手し易いと思われます。無難にスペース・リチュアル(2枚組LIVE盤)か、ドレミファソラシドを聴けば先ず間違いないです。プログレ好きは、サイモン・ハウスが参加した中期の永劫の宮殿、絶体絶命をお薦めします。

ホークウィンドのレコードは見開き4面やら6面がテンコモリです。この場を借りて紙ジャケにして欲しいな、と。

 

SPACE RITUAL

RECORDED LIVE AT LIVERPOOL STADIUM & BRIXTON SUNDOWN
BOB
 CALVERT -poet and swazzle
DAVE
 BROCK -guitar and vocals
LEMMY
 -bass and vocals
NIK
 TURNER -sax,flute and vocals
DIKMIK
 -audio generator and electronics
DEL
 DETTMAR -synthesiser
SIMON
 KING -drums
1973年発表の4thアルバム。邦題:宇宙の祭典。
シルヴァー・マシン、ドレミファソラシドのヒットに伴い行われた1972年のイギリスでのツアーの内の12月22日リヴァプール、最終日30日のロンドンで行われたライブ録音。2枚組みでリリース。
コンセプトは音と映像の合体によるスペース・オペラらしいが、これを聴けばもはやそんな事はどうでもよくなる。分厚いリズム隊(レミーの地鳴りベースは勿論のこと、サイモン・キングのマシンガンのようなドラミングは凄いの一言だ)が生み出す混沌に、さらにはギターまでもリズムの一要因となっており、その上にサックス、フルートがヨレヨレに浮遊し、無軌道的なオシレーターの発信音が酒池肉林の現場に突き刺さるレーザー光線のようで、闇鍋状態である。曲は新録曲も含め、ベスト的な内容(シルヴァー・マシンは未収録だが)。個人的にDISC 2のMASTER OF THE UNIVERSEに愛着があったりします。ちなみに、ジャケットは十八番の6面開き、まんまアイランド(クリムゾン)な写真もある。さすが宇宙。
DISC 1
M1,EARTH
 CALLING
M2,BORN
 TO GO
M3,DOWN
 THROUGH THE NIGHT
M4,THE
 AWAKENING
M5,LORD
 OF LIGHT
M6,BLACK
 CORRIDOR
M7,SPACE
 IS DEEP
M8,ELECTRONIC
 NO.1
M9,ORGONE
 ACCUMULATOR
M10,UPSIDE
 DOWN
M11,10
 SECONDS OF FOREVER
M12,BRAINSTORM
DISC 2
M1,7
 BY 7
M2,SONIC ATTACK
M3,TIME
 WE LEFT THIS WORLD TODAY
M4,MASTER
 OF THE UNIVERSE
M5,WELCOME
 TO THE FUTURE
BONUS TRACKS
M6,YOU
 SHOULDN'T DO THAT
M7,MASTER
 OF THE UNIVERSE
M8,BORN
 TO GO
ホークスの中では別格に位置する最強傑作。今更私なんかが何を言えるだろうか。
むしゃくしゃしてやりました、的な言葉にならない爆発サウンドが地底突き破るグルーヴとともに、宇宙空間で彷徨うのではなく突き進みながら届けられる。
私達が人生について悩み、誰かが哲学を生み、それでもなんの解決もナシに繰り返される日々をなんとなく納得しながら垂れ流し的に生きる(消化、消費する)のに対し、よもや次元が違うとばかりに消し去ってくれる音である。喜怒哀楽という感情レヴェルですら吹き飛ばしてくれる。音楽とはそういうものでなかったか。難しい顔をしながら云々と音楽を聴いて何が楽しいのだろうか(こんなサイトをやっている私が言う言葉ではないですね)。
ハード・ロック、ロック、そして人生なんてこれが終わりでいいじゃないか。
TIME WE LEFT THIS WORLD TODAY だ。

 

HALL OF THE MOUNTAIN GRILL

DAVE BROCK -lead guitar,12 string guitar,synthesiser,organ and vocals
LEMMY
 -bass,vocals (rhythm and lead guitar on LOST JOHNNY)
SIMON
 HOUSE -keyboards,synthesiser and violin
NIK
 TURNER -sax,oboe,flute and vocals
DEL
 DETTMAR -keyboards,synthesiser and kalimba
SIMON
 KING -drums and percussion "...and my old lady and kids,
"cos
 I'm going home now." Brock
1974年発表の5thアルバム。邦題:永劫の宮殿。
ハイ・タイド、サード・イヤー・バンドを渡り歩いたサイモン・ハウスが加入し、サウンドは宇宙の祭典以前の地底から沸き立つ轟音サウンドが丸くなり、表現の幅が増え、空間的な広がりも増し、語弊があるかもしれないが全体的にポップになった。まだ全体像としてはまとまりが無く(勿論次作と比べれば、ということだが)、手探り状態なのかな、と思う。よって次作への布石、過渡期的な作品として捉えられている。1曲1曲の出来は秀逸だし、彼らの持ち味のグルーヴ感も健在なのだが、現在の歴史的視点から見れば、絶体絶命との関連性を考えてしまうわけでそこに過渡期という印象を生むのかもしれない。
サイモン・ハウスの加入はそれはそれは大きなものだったのだろう、と思う。以前の宇宙の無限を感じさせる無機軸的な発信とは違い、どこかしら到達点を求めてしまう音である。
因みにHALL OF THE MOUNTAIN GRILLは、カフェの名前らしいです。ジャケットはシングル・ジャケ。
M1,THE PSYCHEDELIC WARLORDS (DISAPPEAR IN SMOKE)
M2,WIND
 OF CHANGE
M3,D-RIDER
M4,WEB
 WEAVER
M5,YOU'D
 BETTER BELIEVE IT
M6,HALL
 OF THE MOUNTAIN GRILL
M7,LOST
 JOHNNY
M8,GOAT
 WILLOW
BONUS TRACKS
M9,PARADOX
M10,YOU'D
 BETTER BELIEVE IT (SINGLE VERSION EDIT)
M11,THE
 PSYCHEDELIC WARLORDS (DISAPPEAR IN SMOKE) (SINGLE VERSION)
M12,PARADOX
 (REMIX SINGLE EDIT)
M13,IT'S
 SO EASY
名曲M1(シングル化された)に顕著なように、絶えずバックの隙間を埋めるかのようにメロトロンが流れ圧迫してくる。曲も以前と比べると明らかに"流れ"を感じる展開である。サイモン・ハウスのメロトロンはまさしく押し寄せてくる波のようで、その強弱の付け方はひたすら焦燥に駆られる。M2に至っては、哀愁を感じさせるシンフォニックな展開にびっくりする。
私個人としてはこの大洪水サウンドの浮遊感はとても落ち着きを無くされる。つまり浮遊感どころでない。どこかいてもたってもいられなくする「焦り」と、それでもその場から離れることを許すまいとする彼らの磁場が、美しく絡みあう狂想曲集。聴き終えた後は、何だったんだろうと思わせる悪夢のような味わい。それこそ、宇宙の祭典で汗ばんだ体のホテリを瞬間冷凍扇風機のように冷やしちゃいます。

 

WARRIOR ON THE EDGE OF TIME

DAVE BROCK -guitar,synthesiser,bass,guitar on M4,vocal on M1,M2,M5,M6,M11
NIK
 TURNER -tenor and soprano sax,flute,vocal on M7,M10
LEMMY
 -bass guitar
SIMON
 HOUSE -mellotron,moog,piano,synthesiser and violin
SIMON
 KING -drums and percussion
ALLAN
 POWELL -drums and percussion
MIKE
 MOORCOCK -vocal on M3,M9
Produced
 by HAWKWIND
1975年発表の6thアルバム。邦題:絶体絶命。
前作、永劫の宮殿においてサード・イヤー・バンドのサイモン・ハウスが加入し彼らはシンフォニックに展開する。そして、今作がその方向の頂点でもありプログレッシヴ・ロックの大傑作となった。前作レコーディング直後サイモン・キングが負傷し、ツアーではアラン・パウエルが代役として起用され、そのままツイン・ドラムとなった。尚、今作はマイケル・ムーアコックのSF(ETERNAL CHAMPION)をモティーフとしたヒロイック・ファンタジー・ロックとなっている(因みにムーアコックがアルバムにも朗読で参加。)
サウンドは永劫の宮殿を推し進めたもので、完成度は随一。初期の反復ゴリ押しマシンガン殺法(?)だけでなく、サイモン・ハウスのメロトロン、シンセによる空間的な広がり、叙情性、幻想性を強く感じる。シンフォニックに展開していくのだが、以前の混沌サウンドは以前より強度を増しているように思う。更にはサイモン・ハウスのシンセ、メロトロンによりニック・ターナーのフルート、サックスの自由度も増している。結果、彼等は様々な視点によりサウンドを構築していける強みを手に入れたわけだが・・・。この後皮肉にも轟音サウンドの要、ベーシストのレミーがドラッグ所持により逮捕、彼らは彼を解雇する(→ピンク・フェアリーズのポール・ルドルフ参加へ)。
因みにLPでは見開き4面(勿論内ジャケは盾!)。
M1,ASSAULT & BATTERY PART T  ライブでもよく取り上げられる彼らの代表曲。
M2,THE GOLDEN VOID PART U  上に同じ。
M3,THE WIZARD BLEW HIS HORN
M4,OPA-LOKA
M5,THE
 DEMENTED MAN 
M6,MAGNU
M7,STANDING
 AT THE EDGE
M8,SPIRAL
 GALAXY
M9,WARRIORS
M10,DYING
 SEAS
M11,KINGS
 OF SPEED
BONUS TRACKS
M12,MOTORHEAD
M13,KINGS
 OF SPEED(live)
全篇通してハイ・テンションとは言い切れないが、これはこれで押すところは押す、引くところは引くの駆け引きが巧妙に用いられており、ストーリーを際立たせているように思う。全てはサイモン・ハウス様様なのだろう。で、以前のゴリ押し超グルーヴィーサウンドのような分かりやすい心地良さは勿論減退している。
しかしである、楽しむ要素は格段に増えている。以前のゴリ押し轟音サウンドも健在(ツイン・ドラム+レミーでリズムも強化)で、更には哀愁めいたホークス(M5)も楽しめるという(and more,,,)至れり尽せりの魅力盤。それにしてもこの轟音サウンドにサイモン・ハウスの切迫感、焦燥感を掻き立てる大洪水サウンドは凄いの一言だ。何だかんだ言ってホークスである、轟音で連れ去ってくれるのだ。そしてその後に疲弊と感動を与えてくれるのはホークスならでは。。ジャケも含め大傑作!因みにこのアルバムにボーナス・トラックはいらん。

 

 

MENU               BACK