GURU GURU |
クラウト・ロック、ジャーマン・プログレの雄、グル・グル。 フリー・ジャズ・バンド(バンド名は知りません)のドラマー、マニ・ノイマイヤーを中心とし、1960代後半頃結成。メンバーは、ウリ・トレプテ(b)(←ウリ・トレプテもフリー・ジャズ出身)、アクス・ゲンリッヒ(g)のトリオ。 以後マニを中心として、メンバー交代、解散、再結成を繰り返し、現在も活動を続けている。 DISCOGRAPHY 1970 「UFO」 |
それにしても、なんと素敵なバンド・ネームなのでしょう。(検索すると「魔方陣グルグル」とごちゃ混ぜに出てきます) ジャーマン・プログレ、否、プログレ・リスナーにとってグル・グルは避けて通れぬところだと思います。古参にして長寿。とりあえずは、初期4作あれば先ず間違いがないと思います。私自身は3rdのカン・グルが大好きです。こういう阿呆みたいなタイトルとジャケットからして大好きです。 4thの不思議の国のグル・グルが現在CCCDでしかほとんど出回っていないと思います。ご注意を。誰か、4thのアナログを売ってる店教えて下さい。探してます。 |
UFO |
MANI NEUMEI -percussion-sektion,elektrische trommeln,cymbals,gongs,voice,kontaktmikrofon,tape ULI TREPTE -bass-sektion,bass,verstärker,mikrofon,tonband,transistor-radio,intercom,mixer AX GENRICH -gitarren-sektion,gitarre,echogerät,pedal |
1970年発表の1st。 マニが中心となって結成はされたが、サウンド面で主導権を握っていたのはウリ・トレプテであったようだ。それがどうしたと言いたくなるようなインプロ主体の音ではあるが。 この1stのUFOは突然変異なのか、初期衝動なのか後のグル・グルにおいてもこういった音は出てこない。寧ろメンバーの経緯を見る限り、単なるフリー・ジャズとロックとの邂逅なのかもしれない。いや、多分何も考えていないだろう、と思う。 単なるノイズに成り果てていないのは、マニとウリのリズムの強さにある。そして全体を見るならば「胡散臭さ」(UFOというタイトル名といい)にこのアルバムの魅力が詰まっている。必ずグル・グルはクエスチョン・マークをリスナーに用意しているのである。 |
M1,STONE IN (ストーン・イン) M2,GIRL CALL (ガール・コール) M3,NEXT TIME SEE YOU AT THE DALAI LHAMA (ダライ・ラマとの再会) M4,UFO (UFO) M5,DER LSD-MARSCH (LSDマーチ) |
思えばジャーマン・プログレ界における重鎮バンドの1stはどのアルバムも混沌よろしく、フリーキーでヘロヘロだった。ドイツというお国柄、何か決まりのようなものがあるのだろうか、と勘ぐってしまうが、このグル・グルの1stも例に漏らさずヘロヘロ・ドロドロである。そしてこの収まりの悪いサイケ感、吐き気を催すノイジー感、変態度はグル・グル1stならではで、身も蓋もないジミヘン解釈(しかし、ジミヘンやクリームをコピーしたことはないらしい)の果てなのか、或いは彼らがキメすぎて頭がおかしいだけなのか、一つ確かなことは未確認飛行物体とはグル・グルのことなのだ。そういうことにしておこう。 ハード・ロック的なジャムとサイケとギター・ノイズをごちゃ混ぜに拡大放出、ヘヴィーなグルーヴ感は息苦しさ抜群。その息苦しさに快感を覚えぬ人にはあまりお薦めできない。フリーキーではあるが、リズム隊のパワーはお墨付き。今作におけるヴォーカルはほとんど何言ってるのか分からず、宇宙人である。 個人的にはグル・グルの真骨頂は人を喰ったような、悪意のあるようなないような能天気なユーモアだと思っている。その点では次作以降が本領発揮というところだろう。今作はただただ身を任せるのみ。 |