FLEETWOOD MAC |
ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズを脱退したピーター・グリーンは1967年、自ら表現できる地を求め新たなるバンドFLEETWOOD MACを結成する(メンバーの名前を合わせて付けられた)。当初のメンバーは、ピーター・グリーン、ジョン・マクヴィー(彼もブレイカーズ出身)、ミック・フリートウッド、マイク・ヴァーノンの薦めによるジェレミー・スペンサー。ジョン・マクヴィーはすぐさま脱退、ブレイカーズに戻ることとなり、ボブ・ブランニングが加入する。マイク・ヴァーノンンが設立した新レーベル「ブルー・ホライズン」と契約し、スタートを切る。ブランニングが脱退し、再びジョン・マクヴィーが出戻る形で、1stアルバム「PETER GREEN'S FLEETWOOD MAC」のレコーディングが開始される。 |
英国のブルーズ・ロックという枠組みではなく、本場の米国ブルーズにもっとも接近し、更には独自色を出す。ブルーズ・フィーリングとはこういうもの、という教科書のようなアルバムをバシバシと世に送り出しました。というわけで私にとってはフリートウッド・マック=ピーター・グリーン期なわけで、ポップ路線を辿る「噂」以降はあまり熱心に聴いていません。しかし一般的には「噂」がもっともポピュラーなアルバムだと思われます。無難に入りたい方は「噂」からどうぞ。俺は濃いブルーズが聴きたいんだ、という方は「MR.WONDERFULL」、「英吉利の薔薇」をご賞味遊ばせ。一度はまると戻れません。 因みに2005年11月には初期5作が待望の紙ジャケ(リマスター)で発売されました。「あら、噂が入ってないやんけ」と思ってたら、噂ってワーナーだったのね、たった今気付きました。というわけで噂の紙ジャケはおそらく出ないでしょう(泣)。さらに因みに、英国三大ブルーズ・ロック・バンドと謳われた「チキン・シャック」「サヴォイ・ブラウン」も同時に紙ジャケ再発されております。では、お酒片手に変態ブルーズ・プレイを。グッド・ラック! |
PETER GREEN'S FLEETWOOD MAC |
PETER GREEN -vocal,guitar,harmonica JEREMY SPENCER -vocal,slide-guitar,piano JOHN McVIE -bass MICK FLEETWOOD -drums BOB BRUNNING -bass on M3 PRODUCED by MIKE VERNON |
1968年発表の1st。 マイク・ヴァーノンが設立したBLUE HORIZONレーベル(CBS配給)と契約を果たしたフリートウッド・マックはこの1stのレコーディングに取り掛かる。ボブ・ブランニングがレコーディング中に脱退(クレジットを見てもらえば分かるようにM3のみに参加。後にサヴォイ・ブラウンへ)し、元ブルーズブレイカーズのジョン・マクヴィーが加入する。 たいていのブルーズ・ギターというのは白人による黒人の物真似意外の何ものでもなかったが、ピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーが繰り出すホワイト・ブルーズは黒人による黒人のためのブルーズを確実に消化しきった、後のブリティッシュ・ロックの祖となるものだった(アルヴィン・リーだってピーター・グリーンほどブルーズに溶け込み切れなかったのだ)。もちろん、彼等の緩々のギター・ワークはミック・フリートウッドのドラミング、ジョン・マクヴィーのベースのリズムの重さがより鮮明にしていると言える。そして、このアルバム(というよりウッド・マックのアルバム)は何よりバランスが良い。ビートルズの華やかなヴァラエティティと比べてみると、ピーター・グリーンが目論んだであろう時代との差別化は必ずしも成功しているとは言えないが、彼等の並々ならぬブルーズへの愛情と創作意欲は次作が同年に発売されていることからも明らかであろう。 |
M1,MY HEART BEAT LIKE A HAMMER (take2) |
【戯言】夕陽を眺めながら酒片手に物思いにふける、にはピッタリなアイ・ラヴド・アナザー・ウーマン。予言しよう、俺をアル中へと向わせるのは間違いなくこの曲だろう。ジャケットの薄汚い寂れた路地裏を見つめると、涙が出そうになるのは俺だけではないだろう。そして、もし人を殺した時、頭の中で流れる曲は「コールド・ブラック・ナイト」だろう。フリートウッド・マックの華麗で怠惰でユーモアラスで、そしてとことん人懐っこい歴史はここに幕を開ける。 マイク・ヴァーノンはこのデヴュー・アルバムに関して次のように述べている。 |