FAUST

70年代、共同体主義が崩壊に向かう時、彼らはお構いなしにコミューン生活を
廃校にて続けていた。アモン・デュールは原始的だったのかもしれないが、
何故かファウストとなると、儀式的なものを想像してしまう。そこで一体何が行われて
いたのか。初期の2枚がそれに答えてくれるだろう。ちなみにファウストとは、握り拳のことである。


FAUST

ハンブルグとブレーメンの間の廃校で作られた衝撃のファースト・アルバム。
ビートルズのオール・ユー・ニード・イズ・ラヴやストーンズのサティスファクションが
サンプリングされ、ノイズに呑まれて消えていく。ファウスト自身の批評は、文章ではなく
音楽を持って行われ、その後もザッパ的なコラージュ、テープ・カットが使われたかと
思いきや、再びノイズに呑まれて消えていく。斬新という言葉をよく聴くが、
彼らはコミュニケーションを音楽を持って作ろうとしていたのではないだろうか。
彼らはきっと言葉より音楽で話すことを選んだのだ。

この作品は、はっきり言って1年に一回聴くか、聴かないかぐらいなのだが、
たまに毒を補充しないと、今の世の中ではやっていけないのである。
私はこのファウストという毒を飲み込んで今日を生きる。


so far...

セカンド・アルバム。1stより幾分かポップに展開されるのは、前作とは
違った毒を広めようとしているからだろうか。
レコードには1曲毎に、イラストが添えられており、前作もそうなのだが
非常にコンセプチュアルなものになっている。

鋼鉄のリズムから始まる1曲目、IT'S A RAINY DAY,SUNSHINE GIRLの
格好良さはもちろんのこと、ノイズ、クラシック、バロック音楽、テープ逆回転、
コラージュ、カット・アップ等とあらゆる手段を使っての彼ら独自の批評は
やはり、1stにも負けないものだ。
いや、負ける負けないではなく、この1stと2ndは白(透明)と黒、ある種双子のような
アルバムなのだ。だから是非とも2枚セットで聴くべきだろう。
『パパ。バナナ持っていって。明日は日曜日。』


ちなみに、昨年(2003年5月)上記2作が紙ジャケット仕様でリリースされた。
ファースト・アルバムの方は、透明な拳のレントゲン写真に赤い文字が入り、(CDまで透明とはいかなかったが・・)
セカンド・アルバム(ソー・ファー)では、オリジナル通りの特殊エンボス仕様で
曲ごとのイラストも見事に復刻されている!値段はユニヴァーサル様様の2100円。
5000枚限定なので、是非手に入れましょう。(まだ余ってますよ。2004年4月23日現在)


 

PLEASE WAIT!

 

 


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