EGG

URIEL(別名でCD化)が前身バンドであり、スティーヴ・ヒレッジが脱退すると
ギターレスのキーボード・ロック・トリオとなる。カンタベリー・シーンに位置しながら温かみのある
サウンドよりどこかクールなサウンドを特徴とする。2枚のアルバムを残し解散の道を辿るが
74年に再編し一枚のアルバムを残す。この3枚はどれもが名盤の名に相応しいものであり必聴。
サウンドとしては、ナイスのようなクラシックを主とし、ロック、ジャズを見事に消化させたある種の
サンプル品のようでもある。ただ、ナイス、ELPのようなエンターテイメント性のある爆発はない。
そこがいいんだけどね。


EGG

DAVE STEWART -organ,piano,tone generator
MONT CAMPBELL -bass,vocals
CLIVE BROOKS -drums

DECCA(デッカ)から1970年発表の1stアルバム。やや実験色も濃く、
メロディ・ラインはポップに、インプロは白熱とする。デイヴ・スチュワートのキーボードが全体を牽引
し、どこか無機的な感覚がやはり全編を通して覆っている。サウンドの浮き沈み、静と動の狭間で
非常にクールに展開してゆく。

M1,BULB、9秒間のノイズ・イントロダクション。M2,WHILE GROWING MY HAIR、モント・キャンベルの
色濃いヴォーカルがポップなメロディを歌い、デイヴ・スチュワートのキーボードが引っ張る。
キーボードはカラフルな音色を奏でているようだが、聴いた感触は白黒かも。やや切羽詰まった感覚が面白い。
M3,I WILL BE ABSORBED、流れるようなキーボードの音色がカンタベリーらしい浮遊感を醸し出す。次第に白熱化する
キーボードとドラム。場面が切り替わる際のおぼろげな感覚が秀逸。
M4,FUGUE IN D MINOR、バッハ、トッカータとフーガより抜粋。M5,THEY LAUGHED WHEN I SAT DOWN
AT THE PIANO,,,前曲からの流れで思いっきりクラシカルに。ピアノが華麗に退廃的に流れる。
ギター音のようなトーンが無理やり絡みつく。
M6,THE SONG OF McGILLICUDIE THE PUSILLANIMOUS
打って変わって、激しいアンサンブル、脅迫的なリズムとたたみかけるようなヴォーカル。
息を呑むようなインプロヴィゼーションなのに平然とクールにプレイしている様子が浮かぶ。
M7,BOILK、不安を煽るかのようなノイズ、テープ操作。M8,SYMPHONY NO.2、20分の大曲。
クラシカルにテンポ・アップしていく。ジャジーな展開ももちろんながら、ベースとキーボードのユニゾンも緊張感を煽り、
やっぱり冷静に展開してゆく。実験度高し。(特に中盤のトーン・ジェネレーター)

クラシック、ジャズの要素を多分に盛り込んだ痛快作。しかもプログレお約束のように取り入れるのではなく
必然的なものであるかのように彼等は演奏する。クールな演奏、カンタベリーぽくはない冷たさが同居し実験性も
高く、カンタベリーの延長線上で聴くとやや困惑するかも。
現行のCDは、2種類ありSUNRISE盤はボートラあり。(筆者はこれ所有)国内は廃盤。


 

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