DAVID BOWIE

1947年1月8日、ロンドンのブリクストン地区、スタンズフィールド・ロードに生を受ける。
本名デヴィッド・ロバート・ジョーンズ(DAVID ROBERT JOHNES)
1964年シングル『LIZA JANE』を
ディヴィー・ジョーンズ&キング・ビーズという名義で発表する。その後、デヴィッド・ボウイに改名。1967年にアルバム・デビューを果たす。

その後は周知の通り、T-REXと並びグラムの立役者であったり、ルー・リード、イギーポップを始めとするプロデュース活動、ブライアン・イーノやロバート・フリップ等とのコラボレーション。カメレオンのように音楽性を変化させながら、時代にボウイという名を刻んで行った。その他にも俳優活動も行ったり映画出演を果たしている。もちろん、現在も素晴らしいアルバムを発表しており、活動中。

詳しくはこちらを。公式HP(http://www.davidbowie.com/)
ファンサイト(http://www.seriousmoonlightclub.com/) by hayatoさん
同じく驚異的なファン・サイト(http://bowie.cside.tv/)

MENU                  BACK

とりあえず、大好きです。なんて言うか、それしか言葉がないです。ロックを聴くにあたって最初の方に必ずこの名前とぶつかることでしょう。とりあえず、未だボウイを聴いたことのない人は(ほとんどいないと思いますが)、『HUNKY DOLLY』,『ZIGGY STARDUST』を聴いてみて下さい。ニューウェイヴ好きは『LOW』,『HEROES』をどうぞ。
イーノからボウイに辿り着いたという人は『LOW』、『OUTSIDE』を聴いてください。
最近のアルバムは傑作を連発させております。『HEATHEN』,『REALITY』もどうぞ。
またボウイはビジュアルにも強く拘ったアーティストであり、その辺がグラムにも繋がったんですが、その辺の拘りを知るためにライブ・ビデオも必須です。特にZIGGY STARDUSTの(スパイダース・フロム・マーズ解散時の)ライブは大変格好良く、ボウイのシアトリカル性も楽しめます。こちらも強くお薦め。

私談になりますが、先日来日した時、普段ライブにあまり行かない私も『こりゃぁ、行かんと』って感じで行きました。初ボウイだったので緊張しまくりで、更にはアンコールのZIGGY STARDUSTの時泣いてしまいました。歳相応の格好良さを堪能しました。声もスタジオ・アルバムより若い感じがしたし。

 

THE RISE AND FALL OF
ZIGGY
 STARDUST
AND
 THE SPIDERS FROM MARS

DAVID BOWIE -vocals,guitars,saxophone
MICK
 RONSON -guitars,piano,vocals
TREVOR
 BOLDER -bass
MICK
 WOODMANSEY -drums
DANA
 GILLRSPIE -backing vocals on 'IT AIN'T EASY'
PRODUCED
 BY DAVID BOWIE and KEN SCOTT
1972年6月発表の5thアルバム、ジギースターダスト。
ボウイの中でも特にこのアルバムは、もう確固たる地位を築いている名盤中の名盤で周知の通り、グラム・ロックを、否、ロックを代表するアルバムである。(イギリスでは最高位5位)
異星人(火星人?)のロック・スターが、5年後に破滅するという噂の地球にやって来て、様々な役に扮して歌うというSFトータル・コンセプト・アルバムである。
自らをキャラクター化する(SD和久井氏評)、というのは70年代のボウイの十八番であり、そして、ボウイにとってその度に音楽性を変化させていくリトマス紙であったに違いない。ボウイはアイデアを沢山持っている人なわけで、試さずにはいられなかったのだろう。きっと。そして『人類の進歩と調和』(多分大阪万博のスローガンになった言葉)と言うような時代の後押しもあっただろう。つまり、ロックもプログレッシヴであったのだ。多分。

バック・メンバーは、このアルバムリリース後のツアーから『SPIDERS FROM MARS』と名乗る面々で非常に重要なメンバーである。(ほとんどのメンバーはTHE MAN WHO SOLD THE WORLDから参加しているが) 
現在は、30thアニヴァーサリー・エディションが発売されており、それはコンセプトを壊さない2枚組なため、大変お薦めです。そして、当ページ冒頭で書いたように、この時期のライブDVDも必見。

M1,FIVE YEARS (5年間),私たちには5年間しか残されていない、というコンセプトの元、非常に切羽詰ったドラム、危機感を煽る、それでいて感動的なボウイのヴォーカル。大変ドラマティックなアルバムの始まりである。
M2,SOUL LOVE (魂の愛),
ラテン調のリズムに、ロックの躍動感が加わる。ちなみに、歌詞はかなり『愛』に対して批判的であり、孤独感に満ちている。
M3,MOONAGE DAYDREAM (月世界の白昼夢),
なんと言っても、後半のミック・ロンソンのギターだ。これが本当に格好良い。ちなみに、ライブではもっと格好良いです。
M4,STARMAN (スターマン),
フォーク・ロック。かなりポップで売れ線ぽいヒット・ソング。でもやっぱり切ないんだよな。
M5,IT AIN'T EASY (イット・エイント・イージー),
M6,LADY STARDUST (レディ・スターダスト),
M7,STAR (スター),
M8,HANG ON TO YOURSELF (君の意志のままに),
M9,ZIGGY STARDUST (屈折する星くず),
言わずと知れたボウイの代表曲。もうすでに、グラムのアンセムのような化している感がある。声を使い分けるボウイのシアトリカルなパフォーマンス、歌詞に注目を。
M10,SUFFRAGETTE CITY (サフラゲット・シティ),
アップ・テンポな現在のライブでもよく歌われている代表曲。
M11,ROCK'N ROLL SUICIDE (ロックン・ロールの自殺者),
やっぱり、この構成は凄い。今こんな感じをやれば、ありきたりすぎて叩かれそうな気がするが、このアルバムだけは別格。超名曲で、しかもこの歌詞。このシンプルな歌詞を引っ張れるボウイはやっぱり凄いのだ。
このアルバムは実に不思議だ。現代から聴くとサウンドは至って普通のロックン・ロールである。しかし、何故か思い出したかのように、繰り返し繰り返しとこのアルバムを聴いてしまう。
5年間という時限爆弾を仕掛けられ、その限られた時間の中で、キラキラとしたメロディが響く。『子供達がその男(ジギー)を殺した時、俺はバンドを解散させた』と言うロックの本質(青春時代の情熱)と、年老いて行く悲しさ。つまり、非常に格好良くも、切なくて虚しい。その虚しさが『ロックン・ロールの自殺者』であり、現在から見たこのアルバムの姿である。

JOJO広重氏(ex.非常階段)が自身のHPのコラムで『ロックン・ロールの自殺者とは誰のことでもなく、誰のことでもあるのだ』と言っていた。
私は時限立法でもあるかのような一般的な10代の美しさのイメージ、それをこのアルバムに重ね合わすのである。そして、それはとても虚しい。

 

STATION TO STATION

DAVID BOWIE -vocal,guitars,tenor and alto saxophone,moog,mellotron
CARLOS
 ALOMAR -guitar
EARL
 SLICK -guitar
ROY
 BITTAN -piano
DENNIS
 DAVIS -drums
GEORGE
 MURRAY -bass
WARREN
 PEACE -backing vocals
PRODUCED
 by DAVID BOWIE and HARRY MASLIN
1976年1月発表の10thアルバム。
前作(Young American)において、グラムからアメリカン・ソウルにフォーマットの移行を求めたボウイなわけだが、本作は前作から継続されるソウル期ボウイの到達点を示している。この時期のボウイはコカイン中毒であったはずで全体的に陰鬱としたモノクロームな雰囲気が漂っている。この暗さはイギリスらしいもので、アメリカン・ファンクと言っても決してアメリカンになり切れないところが、このアルバムの魅力を上げているとも言える。そして、ただアメリカン・ソウルと言ってもボウイは次なるフォーマットを探していたはずで、ここでボウイはヨーロッパ、まだ分裂していた頃のベルリンへと向かうことになる。まぁ、単なる掛け橋とは言い切れない魅力溢れる名盤なわけで、このあらゆる方向にアンテナを立てたボウイの"凄さ"をやっぱり実感せずにいられないアルバムである。

ちなみに、ジャケはリイシュー盤のもので、オリジナルはモノクロ。ジャケットは当時ボウイが初出演した映画『地球に落ちて来た男』のワン・シーン。

M1,STATION TO STATION,本当に凄い。最初のやや無機質的なインストを引っ張り、ボウイの退廃的な濃いヴォーカルが乗る。景色が変わったかのようにテンポが上がる場面はやっぱりいつ聴いてもゾクゾクしてしまう。
M2,GOLDEN YEARS,
なんだかウネウネとしてファンク色が濃く、ボウイのヴォーカルもセクシー、それでいてスタイリッシュ。でも全体的なイメージはデカダン臭が強く不気味である。こんな曲がヒットするのも恐ろしい。
M3,WORD ON A WING,
この曲もM6もそうなのだが、ボウイの歌唱力がやっぱり凄い。特にファルセットの音域でのヴォーカルが凄い。
M4,TVC15,
ライブにおいても頻繁に演奏される代表曲。ファンク色が濃くストレートなナンバー。
M5,STAY,
イントロのギター・カッティングはやっぱりニューウェイヴ的で時折うねるベースがアクセントに。この曲でもファルセット・ヴォイスが引っ張りまくります。
M6,WILD IS THE WIND,
(野生の息吹)カヴァー曲。なんだか哀愁たっぷりに歌うボウイ。力強くも儚い。
いやぁ、凄いですね、これ。このアルバムを聞くたびに思い知らされるボウイという人の才能。
個人的にボウイの中で1,2を争うぐらいに好きな一枚。こんな駄目駄目な時期(薬物依存)にこんな凄まじい作品を作ってしまうのだから、凄い。恐れ入ります。

M1に至っては、もう絶妙としか言い様がないほどの構成。カルロス・アロマー等のギター・カッティングは切れ味鋭いし、ニューウェイヴ的な予見も感じられる。それでいて構成はプログレ的(つまり次作以降を感じる)だし、前作から受け継がれたファンクっぷりも心地良い。アメリカン・ソウルを経験してより"スタイリッシュ"(知性的)になったボウイ。ソリッドでグラム時代よりデカダン色も濃い。グラム時代とベルリン期のボウイを強く推す人が多いのは知っているけど、個人的にはこれが最高傑作と・・・・言ったら駄目ですかね?

 

HEATHEN

スルメ・アルバム

DAVID BOWIE -keyboards,guitars,sax,stylophone,backing vocals,drums
TONY
 VISCONTI -bass guitars,recorders,string arrangement,backing vocals
MATT
 CHAMBERLAIN -drums,loop programming,percussion
DAVID
 TORN -guitars,guitar loops,omnichord

THE
 SCORCHIO QUARTET-GREG KITZIS -1st violin
MEG
 OKURA -2nd violin
MARTHA
 MOOKE -viola
MARY
 WOOTEN -cello
ADDITIONAL
 MUSICIANS-CARLOS ALOMAR -guitar
STERLING
 CAMPBELL -drums and percussion
LISA
 GERMANO -violin
GERRY
 LEONARD -guitar
TONY
 LEVIN -bass
MARK
 PLATI -guitar and bass
JORDAN
 RUDDESS -keyboards
THE BORNEO HORNS -LENNY PICKETT AND STAN HARRISON AND STEVE ELSON
KRISTEEN
 YOUNG -vocals and piano

PETE
 TOWNSHENT -guitar on 4
DAVE
 GROHL -guitar on 6
2002年発表の22thアルバム。ヒーザン。
前作『hours,,,』から3年ぶりとなるアルバムである。ボウイ・ファンの共通認識として、ここ数年(というかLET'S DANCE以降)ファンとして煮えたぎらない思いを抱えて過ごしてきたんだろうと思う。(私としては、90年代以降のアルバムは全然楽しめたのだけれど。OUTSIDEなんか大好き。)
プロデュースはなんと『SCARY MONSTERS』(1980年)以来、約20年ぶりのトニー・ヴィスコンティである。盟友コンビがここに復活、と期待に期待を重ねこのアルバムの発表を待つこととなった。そして、メディアも手放しの大絶賛。『ボウイ、ここに復活』と。

ちなみに、クレジットの通り、ピート・タウンゼントが参加している。ボウイの話によるとピートはこのアルバムを『ちょっとおかしなホームメイドのクオリティ』と語っており(SD,NO35のインタビューより)、実際にこのアルバムは、なんとも言えない落ち着き様と、911テロ後の不安感(テロ前に作ったらしいが)が交差して、シニカルでそれでいて希望感もあるアルバムとなっている。

M1,SUNDAY.
M2,CACTUS,
 ピクシーズのカヴァー。カヴァーとは言え、ボウイお得意の自分色に染めまくったカヴァー。
M3,SLIP AWAY, 
何やら、ロジャー・ウォータースが書きそうな曲だが、これも名曲。ライブの時は涙腺刺激されっぱなしだった。
M4,SLOW BURN, 
いやぁ、渋い。ピートのギター・イントロ。ボウイの声なんてもう渋いの一言。スピリチュアル。(なんだか、刑事ドラマもんで流れそう、という最初の感想はこの際黙っておきたいが・・)
M5,AFRAID, 
この曲に関してはやっぱり、ヴィスコンティのストリングスだと思う。妙に危機感を煽るストリングスがたまらない。
M6,I'VE BEEN WAITING FOR YOU, 
ニール・ヤングのカヴァー。なんだか、ファンキーなノリと、急に渋くなるボウイが格好良い。 
M7,I WOULD BE YOUR SLAVE,
M8,I TOOK A TRIP ON A GEMINI SPACESHIP,
M9,5.15 THE ANGELS HAVE GONE,
M10,EVERYONE SAYS 'HI', 
現在のボウイが歌うからこそ、説得力がある歌。何気にお気に入り。
M11,A BETTER FUTURE,
M12,HEATHEN (THE RAYS), 
ヒーザンとは異教、神という存在を感じることが出来ない人、精神性がないような否定的な感じの意。ジャケットにはヒーザンが逆さま。
M13,WOOD JACKSON (bonus track for Japan only),
(DISK TWO- limited edition only)
M1,SUNDAY・MOBY REMIX
M2,A BETTER FUTURE・REMIX BY AIR
M3,CONVERSATION PIECE (WRITTEN 1969-RECORDED 1970−RE-RECORDED 2002)
M4,PANIC IN DETROIT (OUTTAKE FROM A 1979 RECORDING)
ボウイはもちろんファンの思いを知っていた。そして、そのファンの願いは懐古的なもので、多分に70年代のボウイを期待したものである。そして、ボウイは現在の自分と格闘するかのように、必死に若返りを図ろうとした。それが、このアルバム以前のボウイなのかもしれない。
このアルバムにコンセプトはない。ヴァラエティに富んだ曲が並んでいる。ボウイは年齢相応の『現在のボウイ』を描いた作品を作ったのである。
ボウイは様々な音楽を好んで聴く人であり、現在のNMEに特集されるようなアーティストも聞いているのも意外だったが、そういった様々な音楽性を好奇心旺盛に自分流で表現するのにかけては、天才的だと思う。トニー・ヴィスコンティとのコンビ復活だなんて、言い訳に過ぎない。やっぱり私も思う。『ボウイ、ここに復活』と。
(あと、一言。 ボウイってドラムもうまいのねぇ。うまいと言うより力強い)

 

 

 

MENU                 BACK