CRESSIDA

60年代後半(正確な年はどの本を見てもわからなかったので)イギリス、ロンドンにて結成される。

70年にVertigoレーベルから『クレシダ』でデビューする。その後、ジョン・ヘイワース(g)が脱退し、ジョン・カレイが加入、さらにフルート奏者ハロルド・マクネアが加入。
71年には2ndアルバム『アサイラム』を同Vertigoレーベルから発表。
その後、解散の道を辿るが、イエイン・クラーク(ds)はユーライア・ヒープに参加している。

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プログレ・ファンなら知らない人はいないのではないでしょうか。ハモンド御三家、クレシダ。(他はスティル・ライフ、アフィニティ)
ブリティッシュ・ロック好きなら多分感動すること間違いなし。あの時代の英国の香り(もちろん、生きていないので知らない)が伝わってくることでしょう。70年代をリアルタイムで過ごしたプログレ好きは多分大好きなはずであろう、この音。
当時を知らない私にとっても、ブリティッシュ・ロック好きである事が幸いして愛聴盤となっています。特に2nd。
2枚しかアルバムがないので、どれを聴けも糞もないのですが、とりあえずキーフの非常に美しい名ジャケ、また彼らの最高傑作でもある2nd『アサイラム』を聴いてみては?

 

ASYLUM

ANGUS CULLEN -vocals,acoustic guitar,extra percuisson
JOHN
 CULLEY -lead guitar,acoustic guitars
PETER
 JENNINGS -piano,organ
KEVIN
 McCARTHY -bass
IAIN
 CLARK -drums,extra percussion
HAROLD
 McNAIR -flute
PRODUCED
 by OSSIE BYRNE
1971年発表の2ndアルバム、『アサイラム』。
コレクター心をくすぶるレーベルVertigo(英フォノグラム傘下)からリリースされた彼等のラスト・アルバムでもある。
尚、現在もオリジナル盤は高値で取引されているのだが、その原因の一役を担っているのが、キーフによるアルバム・ジャケットだろう。キーフの中でもこの首ジャケはマンフレッド・マン・チャプター・スリーと並ぶ非常に人気の高いジャケットである。
もちろん、このアルバムの内容も非常に秀逸である。確かに、現在から見れば古臭い音になってしまうのかもしれないが、それでも70年代前半のあのブリティッシュ・ロックの音を現した音で、イギリスらしさもバッチリ覗える。

前作からジョン・ヘイワースが脱退し、ジョン・カレイ、ハロルド・マクネアが加入し、音楽性も少し変わっている。前作はもう少しアメリカン寄りなサウンドであったのに対し、本作はきっちりとイギリスらしい淡い感触が出ていて、大変ドラマティックである。(尚、解説によればこのアルバムには、コンセプチュアルな面もあるらしい。興味のある方はユニヴァーサルから出ている紙ジャケをご覧になって下さい)

M1,ASYLUM, アコースティック・ギターの響きとハモンド・オルガンの音がクールに混じり合う。躍動感すら感じられる大変メロディアスで哀愁漂う名曲。エレキ・ギターの方も格好良い。ちなみに、アサイラムとは収容所のこと。
M2,MUNICH, 
組曲ミュンヘン。憂いのあるオープニング、なかなか味のあるヴォーカルが乗る。(しかしあまりヴォーカルは個性的ではない)オーケストラが重なり大変ドラマティックだ。時折挿入されるギター・ソロも味わい深い。構成もプログレ的。名曲。
M3,GOODBYE POST OFFICE TOWER GOODBYE. 
アコースティックな響きが一貫しているが、内容は軽快で躍動感感じられる疾走する小曲。中盤のジャジーなピアノ・ソロも良い。
M4,SURVIVOR, 
ハモンド・オルガンが疾走する小曲。この僅かな時間の中でも盛り上げる手法は凄い。
M5,REPRIEVED, 
軽快な跳ねるピアノを主に、スキャットを乗せるジャジーな曲。中盤のピアノ・ソロはまんまジャズ。
M6,LISA, 
クラシカルなオープニング。かなりプログレ的な構成。山アリ谷アリの起伏ある曲で、とことんメロディアス。
M7,SUMMER WEEKEND OF A LIFETIME, 
西部劇っぽい勇ましい曲。
M8,LET THEM COME WHEN THEY WILL, 
組曲。今作のおいしいところ全て集めたような展開で、ジャジーであったり、クラシカルであったりと飽きさせない。構成ももちろん素晴らしく、オーケストラの挿入も効果的。中盤のドラム・ソロの盛り上げは少し大袈裟だがこれも気にはならない。
前作より起伏ある構成で、感情を揺さぶる。それでもどこかクールな佇まいが覗える傑作だ。
叙情性溢れる歌声も個性的ではないが涙を誘うものである。M2ミュンヘンとM8がやはりハイライトなのだろうが、その他の小曲も大変味わい深い曲のオンパレードである。今で言う捨て曲は一切なく、全編通してメロディアスでドラマティックで泣ける。プログレ・ファン以外にもウケルんじゃないか、と思うが、やっぱり聴くのはプログレ・リスナーだけなんでしょうかね? 傑作!

 

 

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