CASSIBER

アヴァンギャルド・ミュージシャンのハイナー・ゲッベルスとサックス奏者のアルフレート・ハルトは1976年にゲッベルス&ハルトというデュオ・プロジェクトを始動させる。(彼等の作品は入手困難で、ベスト盤が出ている←これも入手困難・・・)

彼等の音楽に強い共感を持ったクリス・カトラー(
exHENRY COW)と出会い、そこにクリストファー・アンダースが加わり、カシーバーがスタートした。
そのセッション・レコーディングによる作品が「
MAN OR MONKEY」('82)である。

元々はその場のみの企画であったが、この後もライブ活動を中心として活動していくこととなる。
その後は、ストーミー・シックス(伊)とカシーバーが合体して結成された
CASSIXの活動や、アート・ベアーズ、スケルトン・クルーが合体したDUCK AND COVER(レコメンのコンピか、アート・ベアーズのBOXで聴ける)等の活動を行う。

1984年には「BEAUTY AND BEAST」(美女と野獣)を発表。
1985年にはアルフレート・ハルトがカシーバーを脱退する。(しかしこの後もゲッベルス&ハルトの活動を続けている)
1986年に「PERFECT WORLDS」を発表。
1991年に「A FACE WE ALL KNOW」を発表。
1997年に92年に初来日した時のライブ「LIVE IN TOKYO」を発表。
現在は活動停止中。勿論、各メンバーはそれぞれの活動を続けている。

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カシーバーはRIOが一番活動的だった頃の流れの中にあります。この音(特に1st)はノー・ウェイヴ系アーティスト好きにもきっと受け入れられると思います。
一般的には4thが最高傑作と謳われているようですが、私は1stが一番好きです。まぁ、甲乙つけ難い魅力がどの作品にもあるので、未聴の方は是非聴いてみて下さい。

THIS HEATはもちろんのこと、ゲッベルス&ハルト(カシーバーの前身)のベスト盤も再発して下さい。

 

MAN OR MONKEY

CHRISTOPH ANDERS -vocal,korg-synthsiser,E-guitar,tenor sax,prepared cassettes,metal sheets,violin
CHRIS
 CUTLER -drums,noise,objects,whistle
HEINER
 GOEBBELS -piano,PPG-synthesiser,organ,chinese violin,E-guitar,acoustic guitar,E-bass
ALFRED
 HARTH -tenor and alto saxes,trumpet,trombone,clarinet,bassclarinet,cello
plus
PETER
 PROCHIR -drums on
"OUR
 COLOURFUL CULTURE"
1982年発表の1stアルバム。
このアルバムはよく知られているように、クリス・カトラーのテクストのみが用意され、後は全くのインプロヴィゼーションとアナログのテープ操作(サンプリング)によって録音された作品である(一部編集、1曲か2曲オーヴァー・ダブがあるらしいが)。
聴けば分かると思うが、全くのタルみもなく余裕すら感じられるほどの実験性を持って聞かせる。そこに偶発的な産物なのだろうが焦燥感、不安感、緊張感を付随させるのだから恐れ入る。そういった感情を置き去りにするかのように破壊と構築を繰り返す大胆不敵な一枚でおそらくこれは1stのみ味わえる快感だろう(タイトル曲はNWWでも敵わないと思う)。
(因みに坂本氏の解説によると、カトラーではなくもともとチャールズ・ヘイワードを迎える予定だったとか。)
M1,NOT ME
M2,RED
 SHADOW  特に重要ではないと思うが、この赤い影とは共産主義のことを指しているのだろうか。
M3,CHOR
 DER GEFANGENEN
M4,OUR
 COLOURFUL CULTURE
M5,O
 CURE ME  J.S BACHの詩を利用。
M6,THIS
 CORE
M7,MAN
 OR MONKEY
M8,DJANGO
 VERGIBT
M9,DIE
 VERUNREINIGUNG DES FLUSSES IST GERADE NOCH ERTÄGLICH
M10,SAG
 MIR WO DIE BLUMEN SIND
おそらく何の予備知識もなしにこの作品を聴いたならば、音の生々しさ、構成力、吸引力、断片がドラマに変わる様に驚くはずである。そして、この作品がまったくのインプロヴィゼーションであるとは誰も信じないだろう。私も今聴いても信じられない。
圧倒的なテンションの高さは、クリストファー・アンダースの野性的なヴォーカル(・・・と言えるのか微妙なのだが)によるものも勿論大きいが、テープ操作やノイズにより不安定になったサウンドをさらに高みへと構築する彼等の音の再生能力にあるのではないだろうか。
ぶっつけ本番がもたらす緊張というより、彼等自身がエキサイトした故のスリリングさが身に突き刺さってくる痛々しい(?)傑作!

 

 

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