ASH RA TEMPEL

ジャーマン・プログレにおいても、非常に重要な位置を担うバンド、アシュ・ラ・テンペル。
マニュエル・ゲッチングのソロ・プロジェクト等も現在においては計り知れないほどの影響が
ある。(特にテクノ方面)クラウス・シュルツェが1stのみ参加し、その後ソロ活動へ。
次第にマニュエル・ゲッチングのソロ化してゆく。


FIRST

HARTMUT ENKE -bass
MANUEL GOTTSCHING -guitar,vocals,electronics
CLAUS SCHULZE -drums,percussion

1971年発表の1st。タンジェリン・ドリームの1stを制作し、タンジェリン〜を後にしたクラウス・シュルツェが
アシュ・ラ・テンペルの結成に参加。ジャーマン・プログレの中においてもアシュ・ラ・テンペルの1st、タンジェリン・ドリームの
1st(共にOHRレーベルより)は非常に重要である。
サウンドはと言うと、これまたドロドロのサイケ・ロック。ただし、ロックの表層的なイメージとは逆に
かなりアンビエントでアシッド色濃厚のイマジネーション的なサウンドである。根底には、ジミ・ヘンドリクスやクリームの
ようなものも垣間見れる。全体的にはかなりフリーキーなサウンドだろう。
動の前半、静の後半という構成。

M1,AMBOSS(説教壇)、アンビエントな空間が一時支配するも、次第に混沌とした様相を呈す。
マニュエル・ゲッチングのフリーキーなギター・インプロヴィゼーションが続いて行く。もちろん、シュルツェの
ドラミングも凄まじい。むちゃくちゃやっているようなドラミングから、ブレイクビーツを予見させる
硬質なビートまで、はちゃめちゃだ。脳内麻薬のようなものが必ずや生じるようなサウンドである。
ギター音もエフェクタにより、歪みまくる。まさしく、混沌そのものと言ったサウンドが続く。一体この中に
どれだけの音楽要素が詰め込まれているのだろうか。約20分。(動)

M2,TRAUMMASCHINE
(ドリームマシーン)、アンビエントな空間が静かに表れる。タンジェリン・ドリームを想起
させるが、何やらそれよりも怖い。どーんよりとした空気が次第に辺りを包み込み、空には暗雲立ち込める、そんな
感じだ。声、電子音、緩やかなノイズ音がかなり静かに、それでいてサイケデリックに交差してゆく。
シュルツェのパーカッションも加わり、静かながら進行してゆく。そして、聴いているリスナーはドリームマシーンに
連れていかれる。どこの世界なのかは、日頃の行い次第。

この1stは、やはりシュルツェの存在が大きい。
彼がタンジェリンから持ち寄ったアイデアがそのまま生かされ、マニュエル・ゲッチングや、エンケに
広大な空間を用意している。
ジャーマン恐るべし。傑作!


 

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