ART BEARS

本来ならばレコメン系のところに置くべきバンド(ユニット)なのだが、
とりあえず、ヘンリーカウとともにカンタベリー系から直接的な流れを汲んでいるということで。
それにしても、彼らが残した三作品は奇跡的な珠玉のアルバムばかりである。
ポップとアヴァンギャルドの融合。
昨年12月(2003年)ロクス・ソルスからアート・ベアーズ総決算としてBOXが発売された。


HOPES AND FEARS

DAGMAR KRAUSE -voice
FRED FRITH -guitars,violin,viola,piano,harmonium,xylophone,bass
CHRIS CUTLER -drums,electrified drums,percussion
(GUEST)
GEORGIE BORN -bass,cello
LINDSAY COOPER -basson,oboe,soprano sax,recorders
TIM HODGKINSON -organ,clarinet,piano

ヘンリーカウで、スラップ・ハッピーと合流した彼らは、その後別ユニットにて
新たなその後の流れを作る上で重要な起点とも言うべきアート・ベアーズを結成した。
スラップ・ハッピーの歌という方法論を彼らなりに解釈したそれらの曲は、シンプルになった
曲構造においてクリス・カトラーの歌詞が異様なまでの輝きを放った。
今アルバムは、ヘンリーカウの延長線上で制作された。1978年発表。
大慌てで作られたとあるが、そんな様子はあまり感じられない。確かに、次作のウィンター・ソングス
に比べると完成度は落ちるのかもしれないが、これはこれで充分異様なアルバムだ。

スラップ・ハッピーにおけるダグマーの歌唱とはまた違い、その奥深さがここでは
際立っている。ポップの偶像と別次元にあるかのような、それらの歌構造は異常なまでに
鬱々としている。M1、ON SUICIDE(自殺について)を聴けば、一目瞭然。クリス・カトラーの
歌詞は、極めてシンプルなのに様々な様相を呈すその重層的な意味を考えさせられ、果てしなく難解に
変化する。希望と不安というタイトル名そのものの内容だが、個人的に希望はあまり感じられない。
はっきり言って恐い。複雑に入り組んだ迷宮が自己を形成する軌跡の瞬間。必聴!
※ ON SUICEIDEは、カトラー作詞ではありません。


 

PLEASE WAIT!

 

 


 

 

 


MENU  BACK