AKSAK MABOUL |
アクサク・マブールはマルク・オランデルのソロ・プロジェクトとして始動する。 中心的人物のオランデルの育ち方こそがアクサク・マブールに繋がっている。オランデルはデメトリオ・ストラトスのように非常に多国籍な人物のようだ。 父親はドイツ人、母親はポーランド人、生まれはスイスのジュネーヴで、育ちはイスラエルらしい。 (全くの勝手な想像だが、オランデルの両親は戦争中に出会い、スイスに亡命したのではないだろうか。武器よさらばのように) オランデルは様々なバンドを経て、70年代半ばプログレ・バンド『コス』に加入する。 その後、フリスやカトラーは周知の通り、様々なバンドで活動したり世界を移り歩いていく。 因みに、1981年にオランデルは「クラムド・ディスク」を設立。(http://www.crammed.be/index.html) |
アクサク・マブールは2枚のアルバムを残しています。 その2枚は質感がそれぞれ違っていて、それぞれが甲乙つけ難い超傑作です。レコメン系チェンバーの頂点だと言っても過言じゃないでしょう。廃盤にならないうちに、2枚ともさっさと買った方が身のためですよ。来たる偏頭痛のために・・・ならずものにならないために 彼等の音楽の要素は、実に様々な音楽が詰まっていて、まず間違いなくどんな音楽的嗜好を持つ人も楽しめるでしょう。プログレ系で語られますが、プログレという言葉で毛嫌いする人は人生損することを、このアクサク・マブールは教えてくれます。 ちなみにもちろん、ド変態系音楽です。気持ちいいですよね。 |
ONZE DANSES POUR |
MARK HOLLANDER -farfisa,farfisa organ,darbuka,drum machine, fx,alto sax,clarinets,bass clarinet,piano,xylophone,hesitant fender rhodes, fender rhodes,flute,percussion,pygmy whistle,keyboards,etc VINCENT KENIS -accordion,guitars,bass,piano,darbuka,percussion,pygmy whistle,fender rhodes etc,,,, PRODUCED BY MARC MOULIN,VINCENT KENIS & MARK HOLLANDER RECORDED MARCH-JUNE 1977 |
1977年発表の1stアルバム。邦題:偏頭痛のための11のダンス療法 (カミカゼ・ディスク→クラムド)多国籍な文化を体現したオランデルは、まさしくその通りの音楽を創り上げる。このアルバムは2ndと違いマルク・オランデルを中心にヴィンセント・ケニスの全面的な協力の下、曲ごとにゲストを交えながら非常にユーモアラスで鮮明な音が刻まれている。 民謡、童謡等のリアレンジ曲も多く、原型に忠実とは言い難い分だけオリジナルになっている。これはもうヴァラエティ豊かというレヴェルではない。コスモポリタンであるオランデルにとって自然そのものであったのだろう。(※コスモポリタン=世界主義者、世界公民、国際人) 因みに、昨年(2003年)国内初CD化されたが、そのブックレットにオランデルが曲ごとに解説を書いているので詳しくはそちらを参考に(和訳はなし)。 |
M1,MERCREDI MATIN M2,(Mit1) SAURE GURKE (AUS 1 URWALD GELOCKT) M3,ANIMAUX VELPEAU M4,MILANO PER CASO ジャズ・ギタリスト、パオロ・ラドーニをゲストに迎え、ラドーニの曲をアレンジ。 M5,FAUSTO COPPI ARRIVE! M6,CHANTER EST SAIN M7,SON OF L'IDIOT M8,DBB (DOUBLE BIND BABY) M9,CUIC STEPPE M10,TOUS LES TRUCS QU'ILY LÁ DEHORS M11,CIOBANE M12,THE MOOCHE M13,VAPONA,NOT GLUE M14,GLYMPZ M15,THREE EPILEPTIC FOLK DANCES M16,MASTOUL ALAKEFAK /MASTOUL,ONE YEAR LATER(LIVE) M17,COMME ON A DIT |
エレクトロニカのような音がピコピコ、ポコポコ脈打ったのかと思えば、民謡やらワルツ、ジプシー系、4歳児の歌、ダンス曲、思いつく限りのアイデアをセンスよく作品にしてみました、というような感じだろうか。2ndはより室内楽然としているが、こちらはまさしくアイデアの宝庫。統一感はなくともバラバラな感もない。唯一統一的なのが、時系列の関係ない不思議の国のアリスのような世界というところだろうか。 フリスやカトラーと出会うのが必然的であった、と思わせる内容である。 |