AFFINITY |
ブリティッシュ・ロックを代表するアフィニティ。アルバムは僅か1枚ながら、現在も多くの人々を魅了する。オリジナルは超高価格で取引されている。ヴァーティゴというコレクター心を燻るレーベルからリリースされ、またキーフによるジャケットはキーフが担当した中でも1位、2位を争うような人気なもの。現在はかなり未発表音源が発掘されている模様で、かなりの枚数がリリースされている。 前身バンドが1968年あたりから活動を開始し、フィンランド出身の英語教師の資格を持つリンダ・ホイルが参加し、本格的に活動を開始する。1970年にヴァーティゴから唯一の作品を発表する。1971年、ツアーによる疲れが影響し、リンダがバンドを去り、そのままバンドは解散(自然消滅?)する。 |
AFFINITY |
LINDA HOYLE -vocals LYTON NAIFF -hammond b3organ,piano,wurlitzer electric piano,harpsichord,vibraphone,percussion MIKE JOPP -electric,acoustic,and 12-string guitars,percussion MO FOSTER -bass guitar,double bass,percussion GRANT SERPELL -drums,percussion |
1970年リリースの唯一作。幻の2ndとしてお蔵入りしていた未発表音源も昨今のCD化の際に、ボーナス・トラックとして追加されかなりのヴォリュームがある。(未発表音源だけで作られたCDもあるようだ。)↑にも書いた通り、本作はVertigoからリリースされ(6360-004)、プログレ・ファンにはお馴染みのキーフがジャケットを手掛けている事もあり、かなりの人気のある盤だ。しかし、それだけではここまでの評価には繋がらない。そしてプログレ・リスナーだけに受けるようなサウンドだとも思わない。全てのロック好きに聴かれる要素があり、また、ブリティッシュ・ロック特有の淡い感覚、深い霧に包まれたような感覚、ジャジーでブルーズ色もある多種多様な音楽性がこの盤の魅力を上げている。紅1点のヴォーカリスト、リンダ・ホイルの歌唱力も何とも言えぬ魅力がある。カヴァー曲中心だが、すっかりオリジナルのように消化しきっているのには驚く。(ジョン・ポール・ジョーンズ(LED ZEPPELIN)がM1,M3でブラス、ストリングス・アレンジで参加) |
M1,I AM AND SO ARE YOU,アラン・ハル作(リンディスファーン)。ジャジーなブラスが曲の要になっている。気だるく歌うリンダの表情が伝わってくるよう。M2,NIGHT FLIGHT,深き憂いの中に沈みこむような名曲。オルガンも実に効果的に曲を彩る。曲の展開もブリティッシュ・ロックぽくて素敵。M3,I WONDER IF I CARE AS MUCH,エヴァリー・ブラザース作。ジョン・ポール・ジョーンズがストリングス・アレンジ。M4,MY.JOY,アネット・ピーコック作。深い陰影に富んだリンダの歌唱には脱帽させられる。M5,THREE SISTERS,アップ・テンポなノリのいい曲だが、跳ねるようなリンダのヴォーカル、それにブラスが絡む。中盤のジャジーなギター・ソロも素晴らしい。M6,COCOANUT GROVE,ジョン・セベスチャン作。英国田園風景が想起させられるようなフルート、リンダのジャジーなヴォーカルが絡む好演。ハモンドの響きも言葉がない。M7,ALL ALONG THE WATCHTOWER,ディラン作。リンダのヴォーカルもディランに負けじと、流れるような歌い方で、もの凄いテンションだ。リントン・ネイフのオルガンは実に素晴らしい!必聴! |
リンダ・ホイルの歌唱力は言わずもなが、リントン・ネイフのオルガンが実に見事な味を出している。ブリティッシュ・ロックの名盤は数あれど、カヴァー曲中心でここまで独自色、ブリティッシュ色を出しているアルバムはないだろう。リンダ・ホイルのソロと合わせて必聴だ! |