TANGERINE DREAM

ジャーマン・プログレ超大御所タンジェリン・ドリーム。
知的なロックという意味でも最高峰。当初の日本帯には、『この音楽の価値は聴き手の耳と
主観に依存する』『タンジェリン・ドリームは僕の創作のための霊感(インスピレーション)の源泉と
しての最高の導師(グル)である』と書かれていた。(ディスク・ユニオンの復刻帯参考)
そして、ジャーマン・ロックだけでなく、シンセサイザー・ミュージックの新境地としても
革新的だったのだろう。タンジェリン・ドリームの頭脳でもあるエドガー・フローゼを中心に
数々の問題作、快作を発表し続けた。


ELECTRONIC MEDITATION

EDGAR FROESE :GUITAR,ORGAN,PIANO,EFFECTS
CONRAD SCHNITZLER :CELLO,VIOLIN,GUITAR,EFFECTS
KLAUS SCHULZE :DRUMS,PERCUSSION,EFFECTS

タンジェリン・ドリーム1970年発表のデビュー作。エレクトロニック・メディテイション。
エレクトロニックというわりには、まだシンセの類の使用は見られないが、
それでも充分特異なアルバムになっている。サイケデリックなギターやチェロ、
効果音が意味ありげに重なっていくフリーキーなアルバム。
インプロヴィゼーションなのかは分からないが、それを思わせるノイズの幕開け、
そしてオルガンや、ピアノ、効果音が重なっていく。
内ジャケにも記載されている文章もかなりこのアルバムには重要で、燃えた脳の
再生と誕生、思考についてかなり抽象的に書かれておりこの作品もそれらになぞらえた
ものである。実に抽象的で、難解な流れだがその分、刺激度は大。(非常に、
生命の神秘を思わせる)まさに、このアルバムでタンジェリン・ドリームという生命の誕生でもあった。

かといって、あまり考えすぎずに聴いたほうが良いと思われるが。
(この作品は、後のノイズにもかなり影響を与えている。)
この作品がリリースされる直前にクラウス・シュルツェは脱退し、マニュエル・ゲッチングと
アシュラ〜結成へ。


ALPHA CENTAURI

CHRIS FRANKE -percussion,lotos flute,pianoharp,zither synthesizer
EDGAR FROESE -guitar,gliss.bass,organ,voice,coffee machine(!)
STEVE SXHROYDER -organ,voice,several echo machines,iron stick(!)
(GUEST)
UDO DENNEBOURG -flute,words
ROLAND PAULYCK -synthsizer

1971年発表の2nd。
邦題:アルファ・ケンタウリ〜ケンタウロス座のアルファ星。
シンセサイザーを本格的に導入した2nd。クラウス・シュルツェ、コンラッド・シュニッツラー
が脱退し、クリストフ・フランケ、スティーヴ・シェロイダーが加わった。
オルガン、フルートが実に印象的に幽玄に鳴り響く。
教会音楽かと思いきや、急にノイズの雨あられになったりと、精神世界を
歩いているような錯覚に陥る。音が声のように唸り、恐怖感や安心感、
寂寥感、全てがぐちゃぐちゃに合わさっているようで混乱する。

あまりにも抽象的な感覚なので、一人一人どのような感覚になるのかは
知らないが、まさしく上の『聴き手の主観による』作品だろう。
是非他の人はどう思うのか知りたいところ。
ところで、クレジットでフローゼの楽器「珈琲マシーン」って何なのでしょう。


EP:ULTIMA THULE PART 1/2

アルファ・ケンタウリ〜とセットの激レアEP。(アルカンジェロの紙ジャケについてます。高いけど)
それにしても、これ聴かれた人、かなり驚かれたのではないでしょうか?
まず1曲目は、エドガー・フローゼのルーツとでも言うべきギターがやたら唸っていて
かなりヘヴィである。メロトロンも使用されていて、ちょっと戸惑う。
今回のアルカンジェロ紙ジャケ4Wはやたら高いが、
ボーナス・トラックとして一枚のCDに入っているよりかは、こちらのほうが良心的だ。


ZEIT

CHRIS FRANKE -vcs3 synthsizer,cymbals,keyboards
EDGAR FROESE -gliss guitar,generator
PETER BAUMANN -vcs3 synthsizer,organ,vibraphone
(GUEST)
STEVE SCHROYDER -organ
FLORIAN FRICKE -moog synthsizer on "birth of liquid plejades"
CHRISTIAN VALLBRACHT -cello
JOCHEN VON GRUMBCOW -cello
HANS JOACHIM BRUNE -cello
JOHANNES LUCKE -cello

1972年発表の2枚組み3rd。もちろん、タイトル訳は"時"。
ポポル・ヴフのフローリアン・フロッケがムーグで参加している。
さて、この作品はというと、相変わらずの空間表現。否、時空表現か。山なし谷なしの
タンジェリンらしい瞑想音が続く。こう書くとなんだか、平坦な印象を
持たれるかもしれないが、その微妙な盛り上がり、平坦に見える音の道のりに
様々な要素が垣間見れる。というより想像できる。

M1,BIRTH OF LIQUID PLEJADES、チェロの重層的な重なり(ゲスト人参照)
が、やけに重苦しく、シンセと絡み合う。悠久の時、鐘を鳴らすかのようなシンセ音と
高音なフローゼのギターが神秘的に響く。後半チャーチ・オルガンぽい響きと声のようなシンセが重なる。
M2,NEBULOUS DAWN,低音の響きが反復し、SE,電子音をディレイ等を駆使し様々な
顔を見せる。前曲が神秘、宗教的な拡がりを見せていたが、この曲はひたすら機械的。
M3,ORIGIN OF SUPERNATURAL PROBABILITIES,波の音(?)、シンセ音の反復、
アコースティックな香りがやや感じられ、少し感傷的ムード(?)が感じられる。
前曲の何処か分からないような場所から地球に帰ってきた感。タイトル通り自然。
中盤は、生命の躍動とも言える鼓動のようなSE、シンセ音が絡み、反復。持続。
M4,ZEIT,低音を軸に電子音が舞う。浮遊感は基本的にない。ひたすら反復。18分間。

水の中か、宇宙か、時空の狭間か、頭の中か、霊界か、天国か、、
相変わらずの様々な妄想が巡る。音数は極めて少ないのに
極めて壮大。ここら辺りははっきり言って甲乙つけ難い作品ばかり。


ATEM

 

EDGAR FROESE -guitar,mellotron,organ,voice
CHRIS FRANKE -VCS3 synthsizer,percussion,organ,voice
PETER BAUMANN -VCS3 synthsizer,organ,piano

73年発表の4thアルバム。ohrレーベルでは最後の作品である。
このアテムの評価が高く、新興Virsinレーベルと契約を結び彼らは
世界的な成功を収めることとなる。訳は、息、呼吸。
ジャケット・デザインはフローゼ本人によるもの。
サウンドは相変わらずの瞑想音なのだが、彼らの内面を巡る悠久の旅
はこれが頂点とも言える。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

PLEASE WAIT!

 

 

 

 


MENU   BACK