SPRING

メロトロンと言えば、60年代後半から登場し、ムーディー・ブルースのマイク・ピンダーは
メロトロンを弾かせれば右に出るものなしとまで言われた人でもある。
そして、このスプリングのアルバムは、マイナーロックでいながら、プログレッシヴ・ファン必須の
アルバムとなっている。それは、やはりプログレ・ファンに受けるだけのメロトロンの哀愁が見事に
表現されていたからである。


SPRING

とりあえず、このアルバムについては語るところが多い。
まずは、ネオン・レーベルという、70年代前半をヴァーティゴと共に代表する非常に
人気のあるレーベルである。オリジナル盤はやはり手が出ないぐらいの価格である。
そして、ヒプノシス、ロジャー・ディーンとともに、プログレ・ファンに人気のあるキーフが
そのジャケット・デザインを手がけていること。そして、キーフの作品の中でも取り分け
幻想的で美しいアートでもあることからこの作品は今までずっと語られてきたのである。(3面見開き)
しかし、あくまで音楽性が伴わなければここまでの評価も得られなかっただろう。
それが先述したメロトロンなのである。クレジットには3人ともメロトロンを使っているという
表記がなされていることから、トリプル・メロトロンと言われた。このメロトロンが実に効果的で
まるで英国の片田舎を眺めているかのような、牧歌的雰囲気に包まれている。
ただ、演奏能力や、構成力が魅力になっているバンドではないことを覚えておいてほしい。
ブリティッシュ・フォーク、トラッド辺りを好む方にはお薦め。


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