PICCHIO DAL POZZO

ニュートロルスのリーダー、ヴィットリオ・デ・スカルツィの実弟アルド・デ・スカルツィが結成した
ピッキオ・ダル・ポッツォ。イタリアの国柄、シンフォニック・バンドや、アレアのような地中海を望む民族系
の音楽が多いと見られているが、ピッキオ・ダル・ポッツォは、イギリス、カンタベリー直系のような
音を作りあげた。特にロバート・ワイアットやハットフィールドの音楽からの影響がふんだんに取り入れられており、非常に
ユーモアラスなジャズ・ロックである。

ANDREA BECCARI -bass,horn,percussion,voice)
ALDO DE SCALZI -keyboad,percussion,voice
PAOLO GRIGUOLO -guitar,percussion,voice
GIORGIO KARAGHIOSOFF -percussion,voice,,,etc.
(GUESTS)
FABIO CANINI -drums,percussion
VITTORIO DE SCALZI -flute
LEONARDO LAGORIO -contralto sax
GERRY MANAROLO -guitar
CARLO PASCUCCI -drums
CIRO PERRINO -xylophone


PICCHIO DAL POZZO

76年発表の1st。このピッキオ・ダル・ポッツォは、音を構築していくと言うより
音とSEの配置転換をするような、おもちゃ箱をいじる感覚に似ている。ソフト・マシーンや
ロバート・ワイアットの感覚がふんだんに散りばめられ、特にスキャット・ヴォイスはワイアットを彷彿とさせるものである。

M2なんか、カンタベリージャズ・ロックそのもの。
M3組曲
SEPPIAは、実に不思議な感覚の構成で、叫び声に似たスキャットとヘヴィーなファズ・ギターが
永遠かの如く繰り返される。そこからふと展開が変わる手法は、ヘンリーカウのUNRESTあたりを彷彿とさせる。
と思ったらニワトリが鳴く。この忙しない場面展開はワイアットの1stあたりだろうか?
様々な手法が時間軸お構いなしに展開される。実に不思議な曲である。
ここは何処?私は誰?のような錯覚を感じるかもしれない。
M5、NAPIERも、不思議な展開の曲だが、最後のクライマックスを向かえる瞬間は感動もの。
しかし、その感動で終わらないのがこのバンドの凄いところかもしれない。

楽しい前衛精神と言えばいいのだろうか、シリアスなものはあまり感じられない。
イタリアでは数え切れないほどのバンドが、プログレ・ムーヴメント衰退と同時に忘れられていった。
が、このバンドの音は決して色褪せてはいない。音像はカラフル。そのカラフルさが、幾重にも層をなし
不思議の国のアリスの世界を見せる。イタリアン・プログレッシヴ最良部類。


 

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