THE KINKS

日本では何故かあまり人気というか知名度がなく、不思議に思うのだがイギリスでは
超大御所ロック・バンド、キンクス。その名はフーやストーンズ、ビートルズと並ぶほどである。
あまりにも作品数が多く、私もまだ全部持っていないので偉そうに語れないが、
キンクスは初期と中期、後期とでは音楽性が全然違う。その歴史は年を重なる味と言っていいかもしれない。

RAYMOND DOUGLAS DAVIES レイ・デイヴィス : vocal  guitar
DAVID RUSSELL GORDON DAVIES デイヴ・デイヴィス :vocal guitar
PETER QUAIFE ピート・クウェイフ : bass
MICHAEL CHARLES AVORY ミック・エイヴォリー : drums


KINKS

記念すべきデビュー・アルバム。
7曲目ロック史における名曲
YOU REALY GOT ME(レイ・デイヴィス作)がヒットを記録し制作された。
(YOU REALY GOT MEは、レイがキングスメンのルイ・ルイをモチーフに書いたとされる)
サウンドは、ビートルズ初期、ストーンズ初期のようなR&Bテイストのビート・ロック。
ビートルズと同じようにロング・トール・サリーやトゥ・マッチ・モンキー・ビジネス等のカヴァーを
取り上げておりそこら辺比べてみると面白い。私はキンクスのトゥ・マッチ・モンキー・ビジネスの
方がビートルズより好きです。

アルバムは#7のヒットもあってか、成功を収めこの後キンクスの歴史の幕は開ける。
このアルバムは、#7が素晴らしいのはもちろんのこと、かなり疾走感溢れるロックンロールで
聴きやすい。何時の間にか一緒に歌っている自分に気付く。。


 

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THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY

ヴィレッジ・グリーン・プリザベイション・ソサイエティ。
1968年発表。当時イギリスではもちろん、サイケデリック旋風が吹き荒れていたが
キンクスは、時代とは逆行した英国の風景や、人間情緒、ユーモアに包まれた素晴らしい傑作を発表した。
が、もちろん商業的には失敗に終わった。
全体的なサウンドは、フォーク・ロック調で、英国のいなたさ全開のアルバムである。

M1,タイトル曲は、レイ・デイヴィスによる、『村の緑を守る会』の声明文を読みあげる。
どこかしら、人懐っこいメロディが印象的な曲だ。
M3,PICTURE BOOK(絵本)や、M6、BIG SKY
ようなイギリスらしいメロディが非常に聴きやすい。田園風景を想起させる。
M9,VILLAGE GREENは、本作を一番表しているナンバーである。古きよき郷愁が駆け巡る。
都会の暮らしに疲れて、田舎に帰るとその風景が初めて心地よく感じれるという話はよくあるが、
ここでも同じことが言えるだろう。時代の音を聴こうと追いかけて行くうちに、古き良きものを探すようになる。
それが、このヴィレッジ・グリーン〜だ。もちろん、当時売れなかったとは言っても、現代においてその評価は
絶対的なものがある永久名盤。


ARTHUR -OR THE DECLINE AND FALL OF THE BRITISH EMPIRE

邦題:アーサーもしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡
1969年発表されたキンクスによるロック・オペラ。トミーと比べられたりするのも
仕方ないが、内容は正しく大傑作。トミーにも引けはとりません。
キンクスらしい英国極上ポップ。ストーリーももちろんあるが、一曲一曲でも充分楽しめる。

1曲目VICTRIAから最高のポップ・チューン。2曲目YES SIR,NO SIRは大名曲。
メドレー形式のようになっていて聴き手を揺さぶる。その他にも『若くて純真な時代』等、
聴き応えたっぷり。レイ・デイヴィスの才能とも言えるユーモア溢れる詩や、労働者階級の視点、
イギリス人らしい皮肉などがストーリー仕立てに散りばめられ、いろんな視点で楽しめる。
パイ時代の最高傑作は多すぎて挙げきれないが、これは余裕のベスト3には入る。


 

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