KEVIN AYERS

ケヴィン・エアーズはソフト・マシーンというキャリアからスタートするが
彼本来のボヘミアン気質とともに、アレンの後を追う形で脱退。
個人の幸福求道精神というか、彼には時代の流れとは別の時間が流れている。
彼の作品は常にユーモアラスであり、常にポップで、サイケデリックで、程よい希望がある。
とは言い過ぎかもしれないが、あまり考えずに聴ける。というより嫌な事を忘れさせてくれる
音楽の筆頭だ。もし世の中の人全てがケヴィンの音楽を好んで聴いていたら戦争なんて起こらない。
断言できる。


JOY OF A TOY

1969年発表の1stソロアルバム。ソフト・マシーンのメンバーが総出で参加しており、
デイヴィッド・ベッドフォードも参加。邦題は『おもちゃの歓び』。邦題通りの、音楽をする
歓びに溢れたような楽しげなポップ感覚がまず最初に抱く感想。
それにしても、改めて思うとソフト・マシーンにはこの素晴らしい歌声の二人(&ワイアット)が
いたのだ。なんてグループなんだろうって思ってしまう。
夢見心地で聴けるアルバム。このアルバム聴くと学校・仕事に行く気にはなれなくなるから
要注意だ(笑) 歌詞も意味ありげな歌詞から、ナンセンス真っ只中と言った歌詞まで
ビートニクを好むケヴィンらしい作品で、初夏の気だる〜いこの時期、昼下がり(夜でもいいが)
ついついお酒に走ってしまいそうなアルバムです。(もちろん他の作品にも言えます)
ソフト・マシーン1st好きはもちろん、世の中の人全てに聴いて欲しいようなアルバム。

尚、昨年(2003年)リマスターされたCD(04年紙ジャケ化)は、ボーナス・トラックが大量追加
されているので必聴!
RELIGIOUS EXPERIENCE(SINGING A SONG IN THE MORNING)
では、なんとシド・バレット参加。


SHOOTING AT THE MOON

KEVIN AYERS
DAVID BEDFORD  MICK FINCHER  MIKE OLDFIELD

1970年発表の2nd。邦題:月に撃つ。ハーヴェストからの初期4作は、はっきり言って
全てが名盤で必聴である。相変わらずのゆる〜い曲調にケヴィンの
色濃い声が乗る。今作からホールワールド名義になっているのも特徴だ。

M1,MAY I?は彼の中でも屈指の名曲だろう。普通に格好良い。
並々ならぬポップ・センスと酒でも飲みながら歌っているような歌いまわし。
M2、RHEINHARDT & GERALDINE/COLORES PARA DELORESは格好良い
ロックが聴けると思いきや画面がいきなり歪みまくるようなノイズ(というよりテープ操作)。ノイズから戻ると
違った曲になっているという不思議な展開。
M3、LUNATICS LAMENTはハード・ロック。最後の方は狂っている。
M4、PISSER DANS UN VIOLONは、不思議なフリー・インプロヴィゼーション(?)
ポップな感覚からだんだん混沌とした世界へ。
M5,THE OYSTER AND THE FLYING FISHは、これこそケヴィン!と唸りたく
なるような必殺ポップ・チューン。思わず一緒に歌ってしまう。
BRIDGET ST.JOHN
ヴォーカルで参加。
M6,UNDERWATERは再び混沌としたインプロっぽい曲へ。
小鳥のさえずりから
M7,CLARENCE IN WONDERLANDへ。ソフト・マシーンでも取り上げられていた曲。
この曲も思わず口ずさんでしまう名曲だ。
M8、RED GREEN AND YOU BLUEも、ポップでキャッチーな曲だ。
M9、SHOOTING AT THE MOONは、ポップながらも様々な味付けがされている。
ユーモアラスなケヴィンらしい。ロル・コックスヒルのサックスが歌う名曲。

※現行のCDにはボーナス・トラックが追加されている。
ゆる〜い感覚と多少のアヴァンギャルドぽさ、ケヴィンのヴァラエティ感が実に見事に
曲に消化されている。傑作。


 

PLEASE WAIT!

 

 


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