THE BAND

ボブ・ディランのバック・バンドでそのキャリアをスタートさせ、
衝撃のデビューアルバムからラスト・ワルツまで起伏に富んだ活動を送った。
カナダ人のメンバーが大半(4人)でありながら、アメリカ南部音楽を見事に消化しきった
音楽は、一つ一つの人生を見るかのように人間臭く馴染み易い。

JAIME ROBBIE ROBERTSON
RICK DANKO
RICHARD MANUEL
GARTH HUDSON
LEVON HELM


MUSIC FROM BIG PINK

1968年というサイケ・ブーム真っ只中に発売された脅威のデビュー・アルバム。
ロックを聴く人なら絶対に避けては通れないようなロック古典の一つだろう。
カヴァー・ジャケットは、ディランがザ・バンドに贈った絵が使われている。
なんとも不思議な絵である。音的にはアメリカ南部のルーツ・ミュージックなのだが
そのメロディ一つ取っても、どこか懐かしい音と匂いが感じられる。アコースティックな
温もりと、マンドリンやアコーディオン等を使ったロカビリー、カントリー等を消化させた音楽が
実に心地よく胸に突き刺さる。

ディランとの共作のM1,TEARS OF RAGEから顕著にその親しみやすいメロディが
分かるだろう。思わず一緒に口ずさんでしまう
M3,IN A STATION。歌詞も非常にシリアスで
哲学的なものである。
M5,THE WEIGHTはロック史上屈指の名曲だ。今ひとつ意味不明な歌詞では
あるが、メロディだけを取っても非常に親しみやすい。(これずっと歌ってしまいます)
ディラン作品
M10,THIS WHEEL'S ON FIRE(火の車)、M11,I SHALL BE RELEASED等、超名曲も
多いのだが、このアルバムの凄まじさは全曲素晴らしいという事に尽きる。

全ての曲にまるで魂がこもっているかのようで、圧倒される。永遠に色褪せないような音楽だと思う。
2001年以降に再発されたCDには、大量のボーナス・トラックが追加されており、それもまた必聴もの。


THE BAND

1969年発表の2nd。ビートルズがホワイト・アルバムなので、それにちなんで
通称ブラウン・アルバムと呼ばれる。
1作目に負けじ劣らずの大傑作である。前作は多少まとまり感は感じられなかったが今作は
まとまり感を感じる。バンドの音楽が頂点に達していたのかもしれない。
そして、バンド特有の哀愁をさらったメロディ、懐かしさは更に深くなり、
スルメ盤と言われるに相応しい味わい深いアルバムだ。
解説にも書かれているように、まさしく『WOODY AND THUDDY』木の温もりがあり、ズシンとくる音である。

南部から新天地(カリフォルニア)に向けて歌った
M1,ACROSS THE GREAT DIVIDE(ロッキー越えて).夢を語る力強いナンバーだ。M3,THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN(オールド・ディキシー・ダウン)、
南北戦争、北軍の侵攻に対する南部人の思いが架空のヴァージル・ケインによって語られる。
バンド唯一の南部人リヴォン・ヘルムが歌う。感動を呼び起こさせる名曲だ。

全曲紹介したいのだが、(どうせ、全曲名曲です。面倒。)やめます。やはり、前作と同じようにこれも全ての曲に
命が宿っているような感があり、全てが名曲だ。(全曲一緒に口ずさんでしまうようなメロディも相変わらず!)
南部らしさ、新天地への夢、なんでもない日常の歌、会話、が全てにわたって匂いを
放つ素のアルバムだ。サイケデリック革命を受けて次々とアーティストが先鋭を目指すが
バンドは、自分達のルーツを見つめ、ありのままの姿、物語を描いた。
皮肉にもその古き良き香りが先鋭になっているのかもしれない。
将来どんなアルバムを聴いて人生を過ごすのか考えれば、こういうアルバムなの
かもしれないと、今回改めて強く思った次第。


 

PLEASE WAIT!

 

 

 


MENU  BACK